セパン・インターナショナル・サーキットで開催されたMotoGPマレーシアGPでは、ヤマハが開発中のV4マシンによる2度目のワイルドカード参戦を実施した。しかし、テストライダーのアウグスト・フェルナンデスによると、まだまだ開発は十分でないようだ。
ヤマハが開発を進めてきたV4エンジン搭載のYZR-M1は、9月のサンマリノGPで初めて実戦デビュー。この時もフェルナンデスがワイルドカードで参戦した。
そしてマレーシアGPでは2度目のV4マシンによるワイルドカードとなった、レース後にフェルナンデスは競争力の面で、前回から進歩していないと語った。
実際、マレーシアGPの結果からもそれは明らかだ。まだエンジンが“セーフモード”で動かされているとフェルナンデスが認めていることを考慮したとしてもだ。
フェルナンデスはマレーシアGP予選ではポールポジションタイムから2.381秒差のグリッド最下位。そしてレースでは転倒して再スタートしたミゲル・オリベイラ(プラマック)の1つ前、18位という結果だった。
「僕達にとっては厳しい週末だったよ」
フェルナンデスはマシンにはマイナーアップデートしか施されていないと認めつつ、そう語った。
「ミサノでフィニッシュしたときよりも悪いスタートになっていて、やるべき作業をまた見つけて、最終的なベースを見つけるために、もう一度ゼロからやり直すような状況だった」
「唯一ポジティブだったことは、ここまでの努力のおかげで、ミサノ戦を終えた時と同じような状態には戻せたことだ」
2026年の開幕戦タイGPまでに、V4マシンが競争力を発揮できるようになるための時間は十分にあると思うか? そう尋ねられたフェルナンデスは「いや、本当にない。マジでね」と答えた。
そしてフェルナンデスはその後、少しだけ言葉を変え、今季最終戦、そしてその後のバレンシアテストまで判断は保留すると口にした。
「バレンシアで答えるよ。今はかなり離されてしまっているけど、データを全て分析して適切な方向に進んでいくことができれば……バレンシアでそれを確認して、(タイGPに向けて)準備が整うかどうかを判断するだろう」
フェルナンデスは時間的余裕が無いことをよく認識している一方、チームが改善すべき点を把握していることに希望を見出している。
「週末のデータ全てを分析して、僕らはミサノと同じ問題を抱えていることが分かった。これは数少ないポジティブなコトだと言える。なぜなら少なくとも今後のテストに向けて明確な方向性が見えているからだ。エンジニアの人達には新しいことをやってもらいつつ、その方向性に沿ってもらう必要がある」
なおフェルナンデスは今回のようにエンジン出力を落として走ることには賛同していないようだった。
「トピックスのひとつはエンジンだ。もっとパワーがあると言われているけど、僕は実際に近いところで走らせたい」
「それからベースセットも必要だ。ミサノとセパンで確認してきたことから、さらに取り組みを続けていかなくちゃいけない。マシンのバランスについてもね。今はまだバランスがとれていない」
バレンシアテストは約3週間後となるが、ヤマハはそれまでの間もプライベートテストでV4マシンの開発を続ける予定だ。
「唯一の問題は時間がないことだ。次のレースに備えたいんだけどね」
「開発やそのプロセスをもう少し加速させていく必要がある。でも明確な方向性が今は見えているのは良いことだ。これからも努力し続けなくちゃね」

