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“神様”ジョーダンが語るロード・マネジメントの本質「バスケは1日2時間半~3時間。残りの21時間で何をするか」<DUNKSHOOT>

“神様”ジョーダンが語るロード・マネジメントの本質「バスケは1日2時間半~3時間。残りの21時間で何をするか」<DUNKSHOOT>

2025-26シーズンが開幕し、連日熱戦が繰り広げられているNBA。

『ウォルト・ディズニー・カンパニー』、『Amazon』と共同で、今シーズンから向こう11年間の放映権を獲得した『NBC』では、マイケル・ジョーダンが“スペシャル・コントリビューター”に就任。レギュラー解説者といった役割とは異なるものの、これまで以上に深くNBAに関わっていくことになる。

 その一環として、同局では『MJ:Insights to Excellence』なるタイトルのシリーズ番組をローンチした。

 これはスポーツキャスターのマイク・ティリコ氏とのインタビューを通して、ジョーダンが自身のキャリアを振り返りつつ、現在のNBAについて思うことなどをざっくばらんに語り合うもので、初回エピソードは今季開幕日のオクラホマシティ・サンダー対ヒューストン・ロケッツ戦のハーフタイム中に上映された。

 そして先日公開された第2弾では、ジョーダンがロード・マネジメントについて持論を展開している。
  NBAにおけるロード・マネジメントとは、年間82試合に及ぶレギュラーシーズンにおいて、選手の負担を軽減するためにチームが意図的にスター選手を休ませるものだ。

 いわゆる“働き方改革”とも言えるが、スーパースターのプレーを楽しみにアリーナに足を運んだファンに対して不誠実であること、スポンサーや放送局の不満、さらに「身体面の管理」を名目としつつ休養を理由に休ませることになれば試合に不公正さを生む、といった負の要素が多数指摘されていた。

 よってNBAでは2023年に新たな規定を発表。スター選手を意図的に休ませることに制限を設けて、違反したチームに罰金を科すことを定めている。

 ジョーダンは現役時代、キャリア15シーズンのうち、40歳だった現役最終年を含む9シーズンでレギュラーシーズンの全82試合に出場。そんな“鉄人”は、ロード・マネジメント論争について聞かれると、開口一番「そもそも、そんなものは本来必要ないと思う」と切り出した。

「自分は1試合たりとも休みたくないと思っていた。なぜなら、自身を証明するチャンスだからだ。それに観客は自分のプレーを見に来てくれていることを常に意識していた。

 スタンドの一番上の方に座っているあの人は、懸命に働いてチケット代を工面してくれたのかもしれない。だからそうした人たちを喜ばせたかったんだ」

 当時、シカゴ・ブルズと敵対関係にあったデトロイト・ピストンズのホームアリーナでもその想いは変わらなかったかと振られると、「もちろんだ。きっと自分に向かってブーイングしているだろうから、(自らのプレーで)黙らせてやろうと思ってたよ」とドヤ顔で答えている。 デビューして間もない頃、試合中に足首を捻ったジョーダンだが、「こんなところで休んでる場合じゃない」と、テーピングを巻いてコートに戻ったこともあったという。

「見に来てくれるファンがいるなら、エンターテイナーとして自分のプレーを見せる責任があると思う。身体的な事情でプレーできないなら仕方がない。でも身体は万全なのに、気分が乗らない、といった理由で休むのは全く別の話だ」

 欧州のサッカー界でも、連戦や移動が続いた時や、より重要な試合が控えている前などに主力を休ませることはある。それは“ローテーション”や“温存”として、ファンにとっては残念ではあるが納得するしかない事情、と認識されている。

 サッカーとバスケとでは身体にかかる負荷の違いもあるが、NBAでロード・マネジメントがより問題となるのは、ジョーダンも「エンターテイナーとして」と語っているように、競技であると同時にエンターテイメント性がより高いからだろう。

 続けて、ジョーダンが語った“ロード・マネジメントの本質”が興味深い。彼いわく、選手自身が試合に向けてコンディションをいかに調整するか、それこそがロード・マネジメントであるという。
 「バスケットボールをプレーするのは1日2時間半から3時間。それがNBA選手の仕事であり、そのために給料をもらっている。じゃあ残りの21時間は何をするのか。その時間こそ、翌日の試合や次のチャレンジのために準備するべき時間なんだ」

 ジョーダンは、「自分はその点ではロールモデルになれる存在ではなかったけれど」と苦笑しつつ、このように指摘している。

「ロード・マネジメントとは本来何なのか、いま一度振り返って考えてみるべきだ。まず第一に、ファンに対して誇れる存在であること。2つ目は、自分の感覚を常に研ぎ澄ませておくこと。そして3つ目は、チームのリズムを保つこと。(誰かが欠場することで)リズムが崩れて、チームの一体感を失うことになるからね」

 NBAが過去10年間のデータをもとに行なった調査でも、医師たちは「重要なのは休養とリカバリーのバランスであって、休養を取った選手にケガが少なかったという明確な根拠はない」との結論を出している。

 もちろん、身体的には問題なくとも、精神的な疲労が溜まっている場合は然るべきケアは必須だし、個体にはそれぞれ違いがあるため、場合によっては身体的な疲労を考慮する必要もある。

 ただ、ジョーダンの言葉にもあるように、休みなくプレーする方がリズムを保ちやすいという選手は少なくない。主軸の選手が不在となることで、チームの一体感が失われる指摘も、まさにその通りだろう。ロード・マネジメントは、そもそもチームの最終的な成績向上を目指すものであるから、マイナス面の方が大きくなっては本末転倒だ。

 ジョーダンが挙げた3つの本質はどれもチームに好影響を与えるものであり、これらを念頭において取り組めば、「ただ休ませる」だけを目的とした負荷管理は発生しないはず。

“スペシャル・コントリビューター”となったジョーダンが今後どんな発信をしてくれるのかも、今季の楽しみのひとつになりそうだ。

文●小川由紀子

「魔法の薬を飲んで、今のバスケットボールをプレーしてみたい」“神様”ジョーダンの変わらぬバスケ愛<DUNKSHOOT>

【画像】引退後もその影響力は絶大!NBAの頂点に君臨するバスケットボールの“神様”マイケル・ジョーダン特集
配信元: THE DIGEST

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