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“声を出せない”数千人の大人たちが見せた情熱 「キミとアイドルプリキュア♪LIVE」昼公演レポート

“声を出せない”数千人の大人たちが見せた情熱 「キミとアイドルプリキュア♪LIVE」昼公演レポート

「声を出さない」会場に満ちた静かな熱気

 自分はこの日のライブは昼夜2公演とも参加しました。

 お昼の公演は、キャパ約5000人の会場がほぼ満員。

 パシフィコ横浜1階の前半分がファミリー席、1階後ろ半分と2、3階席が大人の指定席となっていて、お客さんの構成的には「ファミリーと大人ファンが半々」といった感じでしょうか。

 ライブが始まります。

 テレビアニメの映像からスタートし、「このライブはアニメの続きですよ」ということを子どもたちに印象付けます。そしてオープニングソング「キミとアイドルプリキュア♪ LightUp!」がスタート。1曲目からずっと子どもたちは大盛り上がり。歓声とライト、うちわやぬいぐるみを持って応援しています。

 そんな中、どれだけコーレス(コールアンドレスポンス)を入れたい場面でも大人たちは拍手とライトで応援。一切の声を出しません。歓声すらあげません。

 キュアアイドル役の声優・松岡美里さんの「盛り上がってるーー!」の煽りにも子どもは歓声、大人はその声を包み込むように、拍手とライトで応えます。

 各プリキュアのステージ曲など「コーレスを前提とした曲」が続く中でも、大人たちは決して声を出しません。

 ステージでは、踊るプリキュアと、歌う声優さんとシンガーたち。そこに子どもたちの歓声。大人の拍手はその後ろでリズムとなり、会場全体を包み込みます。

 もちろん小さく声を出している大人はいたのかもしれないけど、少なくとも会場に響く様な大きな声は一切ありません。

 大人の観客はせいいっぱいのライトと拍手で無言の応援を貫きます。

 「声が出せない」という制約が、逆に会場全体の大人を一つにしたような空気を生んでいました。

 ただ1カ所だけ、中盤「ひろがるスカイ!プリキュア~Hero Girls~」のイントロが流れた瞬間だけは、思わず数千の大人の「おおお……」と低いうなり声が響いたのはご愛敬。あれは、まあ仕方ない。

MCでも子どもたちを主役に

 MCは昼の部のライブらしく、声優さんたちと子どもたちの掛け合いが楽しい。

 キュアウインク役・高橋ミナミさん(高ははしごだか)の「大好きなプリキュアを教えて」という声に、子どもたちは大きな声でそれぞれ大好きなプリキュアの名前を伝えます。その声がずっと鳴りやまず、その情熱に声優さんたちが圧倒される場面も。

 キュアアイドル役の松岡美里さんの「キミとアイドルプリキュア~」に大きな声で「大好きーー!」と返す子どもたち。まさに「子どもたちが観客の主役」のライブとなっていました。

 こういうとき、一人くらいはふざけて声を出す大人もいそうなものなのに、彼ら彼女らは決して声を上げずに、ひたすら拍手で子どもたちを見守ります。

 シンガー・吉武千颯さんの、(大人しかいないことは分かっているであろう)「2階席ー3階席ーのキラッキランランズーー!」という煽りにも、決して声を出さす拍手と光の波で返す。そんなステキな光景が見られたのです。

配信元: ねとらぼ

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