11月1日、2日にモビリティリゾートもてぎで開催されるスーパーGT第8戦は、2025年のシリーズタイトルが決定する最終ラウンドとなる。GT500クラスもGT300クラスも多くのドライバー/チームにタイトルの権利が残されているが、特に今季からポイントシステムの変更されたGT300は実に9チーム/16名のドライバーに王座の可能性があり、激戦の様相を呈している。
GT300では今季より、入賞圏が10位までから15位までに拡大。それに伴い優勝ドライバーが得られるポイントも従来の20点から25点に増加している。このことは最終戦に向けて多くのドライバーに逆転のチャンスがあるという状況を作り出す一因となった。
また、昨年は8戦4勝を記録した88号車VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)、優勝2回、2位2回の65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)、優勝1回、2位3回の2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)による史上稀に見るハイレベルなタイトル争いが展開されたが、今年はGT300らしい群雄割拠となっており、ここまでの7大会8レースで7台のマシンが優勝。過半数超えとなる15台が表彰台を獲得している。
LEONか? KONDOか? あるいはCARGUYか?
様々な車種・チームが勝利を分け合うシーズンとなっている2025年のGT300において、今年も強さを見せているのがLEON RACING。蒲生と菅波冬悟のコンビは開幕戦の勝利を皮切りに全戦で入賞して79ポイントを積み上げており、ランキングトップに立っている。チームとしても、大活躍しながら惜しくもランキング2位に終わった昨シーズンのリベンジをなんとしても達成し、7年ぶりの王座を掴み取りたいところだ。
ただ、そんなLEONに僅差で迫るチームがふたつ。それがKONDO RACINGの56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rに乗る平手晃平と、CARGUY MKS RACINGの7号車CARGUY Ferrari 296 GT3に乗るザック・オサリバン、小林利徠斗組だ。
LEON RACINGと同じくGT300のタイトル争い常連チームであるKONDO RACINGは今季、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと平手を起用。デ・オリベイラが母国ブラジルのストックカーシリーズに参戦して欠場した2戦は金丸ユウがドライブした。優勝こそないものの全戦で入賞しており、その全てで出走した平手が77.5ポイントでランキング2番手につけている。
そして今季のサプライズとなったのが新規参戦のCARGUY MKS RACINGだ。オサリバン、小林という20歳の有望若手コンビは好パフォーマンスなフェラーリ296 GT3で素晴らしい走りを見せており、第5戦鈴鹿で優勝を飾ると、第6戦SUGO、第7戦オートポリスでは2戦続けてポールポジションを獲得した。オートポリスでは燃料が足らず優勝を逃したが、2位に入ったことでLEON蒲生、菅波組から4.5ポイント差のランキング3番手に浮上した。
上記の3台5名のドライバーに関しては、最終戦で優勝して“自力王座”を勝ち取れる可能性を有している。勝てばチャンピオン、非常に単純明快だ。
結末は予測不可能?
ただ今季のGT300は、一部チームがピット枠の都合でセパン戦にエントリーできなかった兼ね合いもあり、全8戦中最大7戦分のポイントで競う有効ポイント制が採用されている。ここまで全戦でポイントを獲得しているLEON蒲生、菅波組とKONDO平手は、最終戦のリザルト次第では一部ポイントが無効となるため、詳細な戴冠条件の計算はやや複雑となる。
その他、ランキング4番手につける4号車グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝、片岡龍也組も逆転王座が射程圏にあると言える。彼らはトップ5フィニッシュ5回とコンスタントに好成績を残し、トップと12.5ポイント差の66.5ポイントを稼いでいる。最終戦では4位以上で逆転の目があり、優勝した場合はCARGUYとKONDOが3位以下、LEON4位以下で戴冠となる。
オリベイラを挟んでランキング6番手〜10番手につける5組、52号車Green Brave GR Supra GTの吉田広樹、野中誠太組(59.5点)、777号車D'station Vantage GT3の藤井誠暢、チャーリー・ファグ組(56.5点)、2号車HYPER WATER INGING GR86 GTの堤、平良組(56.5点)、666号車seven × seven PORSCHE GT3Rのハリー・キング(55.5点)、18号車UPGARAGE AMG GT3の小林崇志、野村勇斗組(55.5点)にもチャンピオンの可能性は残されているが、いずれもトップとは20ポイント前後の差がついており、逆転は容易ではない。
しかもGreen Brave吉田、野中組を除く4組は、最終戦で優勝する以外に逆転の道は残されていない。その上で、ランキング上位勢が軒並み中団に埋もれることを期待しなければならないのだ。
とはいえ、今季ここまでのGT300クラスのレースを見る限りでは、予想不可能な結末を迎える可能性も十二分にある。もてぎでのシーズンフィナーレでは、GT300の戦いからも目が離せない。

