開幕から1週間が経ったNBA。イースタン・カンファレンスでは、現地時間10月29日(日本時間30日)時点でシカゴ・ブルズとフィラデルフィア・セブンティシクサーズが4戦全勝と、昨季プレーオフ出場を逃がした2チームがトップに立つ予想外の展開となっている。
その2チームに続く3勝1敗で並んでいるのが、マイアミ・ヒートとミルウォーキー・バックス。バックスはヤニス・アデトクンボを中心にベストメンバーで戦っているのに対し、ヒートは開幕からエースのタイラー・ヒーローを足首のケガで欠いているだけに、こちらも予想外の健闘と言っていい。
しかも、平均得点は昨季リーグ24位の110.6点から、リーグトップの平均131.5点まで急上昇。フィールドゴール成功率は50.8%で同5位、3ポイント成功率は40.8%で同4位、平均29.8アシストは同5位タイの好位置につけている。
個人では新加入のノーマン・パウエルがチーム最多の平均24.0点に7.3リバウンド、3.0アシストを奪取。昨季の倍以上となる平均5.8本の3ポイントを放ち、39.1%の成功率で2.3本を沈めているバム・アデバヨが平均21.0点、9.0リバウンド、ハイメ・ハケスJr.が平均18.8点、6.3リバウンド、4.3アシストを残すなど、計7選手が平均2桁得点を記録している。
また、エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)の下、自慢のディフェンス力も健在だ。リーグトップのペース(109.13)を記録しつつ、相手チームのフィールドゴール成功率を42.4%(リーグ4位)、3ポイント成功率を33.3%(同9位)に封じ、ディフェンシブ・レーティングで同4位の106.4と、攻守両面で機能している。
そのヒートで、チームから絶大な信頼を寄せられているのが加入2年目のアンドリュー・ウィギンズだ。
平均14.5点、4.5リバウンド、2.0アシスト、1.25スティール、1.00ブロックという成績は元オールスターとしては控えめだが、パウエルが欠場した28日のシャーロット・ホーネッツ戦では21得点、3スティールと躍動。
頼れる30歳のベテランについて、アデバヨはこう語る。
「彼は先発陣の中でおとなしい方だけど、小さなことでも勝利へとつながるプレーをしてくれる。この2試合と(24日の)メンフィス(グリズリーズ)戦ではオフェンシブ・リバウンドが際立っていた。彼らしい方法で試合に積極的に絡んで、自分の足跡を残す方法だからね。おとなしい選手が汚れ仕事もこなしてくれると、すごく嬉しいよ」 2014年にドラフト全体1位でNBA入りし、ミネソタ・ティンバーウルブズとゴールデンステイト・ウォリアーズで得点源の一角を務めたウィギンズ。ウォリアーズ時代の2022年には優勝を経験するなど、ディフェンスやハッスルプレーでも勝利に貢献できることを証明してきた。
今年2月に大型トレードで加入し、在籍2年目を迎えてチームに馴染んできたオールラウンダーを、指揮官も称賛する。
「彼のエナジーは見事だ。積極的にプレーに絡むことで真価を発揮する。必ずしもプレーコールにこだわる必要はないが、ディフェンスやブロック、トランジションへの展開を何度も試みるなど、いろいろなプレーで貢献するんだ。
彼は勢いに乗ると、ポストアップやスポットアップ、他の選手との連係プレーなど、厄介な選手と化す。ボールが回ってくれば、とにかく積極的にプレーし、リズムに乗ってくるんだ。彼がチームのために良いプレーをしたいと望んでいることは、全員がわかっている。彼の情熱は素晴らしい。だからあとは時間の問題だ」
ホーム2連戦で連勝を飾ったヒートは、次戦30日からアウェー4連戦に臨む。開幕4連勝中のサンアントニオ・スパーズや3勝1敗と好調のデンバー・ナゲッツなど、ウエスタン・カンファレンスの上位チームを相手にウィギンズがステップアップできれば、さらに勢いは増しそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
【画像】名門レイカーズでレブロン、ドンチッチと共演!NBAのスーパースターたちと渡り合う八村塁を特集!

