日産自動車は「JAPAN MOBILITY SHOW 2025」において、新型「エルグランド」を先行公開した。1997年に登場した初代エルグランドは、商用車のイメージが強かったワンボックスカーをプレミアムなミニバンに一新させ、フルモデルチェンジを重ねるごとに高級感を増してきた。新型はよりプレミアムさを感じるモデルに生まれ変わっている。
エクステリアデザインは「リニアモーターカー」をコンセプトに、威風堂々とした佇まいを表現。フロントグリルは日本の伝統工芸「組子」をモチーフに、デザインに日本庭園の間の使い方を取り入れた。
インテリアは特別なプライベートラウンジをイメージ。表皮や木目調パネルによって、これまでにない高級感を演出している。センターディスプレイとメーターディスプレイを兼ねるモニターは、国内モデル初となる14.3インチのパネルを採用。3Dサラウンド再生を楽しめる「BOSE 22スピーカープレミアムサウンドシステム」を搭載し、快適な移動空間を実現させている。
パワーユニットも一新。モーターと発電機、インバーター、減速機、増速機の5つの部品とエンジンをひとつにまとめた、新たな「第3世代e-POWER」を搭載し、静粛性と燃費性能が大幅に向上している。
さらに電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」も進化。加速、減速時に車体の揺れを抑え、これまでにない乗り心地を可能にした。
日産の技術の粋を集め、大きく進化した新型エルグランドは、好調な販売が期待できそう。苦しむ日産自動車の救世主になってほしいものだが、モータージャーナリストは、
「今の日産自動車に必要なのは、巨大市場の北米で売れるコンパクトなハイブリッド車であり、プレミアムなミニバンではありません。救世主とまではいきませんが、新型エルグランドが売れれば明るい話題になり、雰囲気はよくなるでしょうけど…。これをきっかけに復活への道を走り出したい、というのが日産の本音ではないでしょうか」
新型エルグランドはそれだけのポテンシャルを秘めているのだが、はたして…。

