現地時間10月26日にサンチャゴ・ベルナベウで行なわれたレアル・マドリーとバルセロナによるラ・リーガの伝統の一戦「エル・クラシコ」は、ホームチームのマドリーが宿敵を2-1で破って首位を維持。激しい戦いは両チームに「舌禍」を引き起こし、現地メディアも当事者選手を強く批判している。
試合は22分にジュード・ベリンガムのスルーパスで抜け出したキリアン・エムバペが今季11得点目となる先制ゴールを決めると、バルサは38分に敵陣でのボール奪取からフェルミン・ロペスがゴールネットを揺らして同点。しかしマドリーは43分にエデル・ミリトンの頭での折り返しをフリーのベリンガムが押し込んで再び勝ち越し、スリリングな展開となった後半でリードを守り切ってみせた。
最も注目を集めるカードでの首位攻防戦。より気合の入った両チームによるハイレベルなプレーの競い合いが見られた一方で、宿敵同士ということもありラフプレーも頻発した。バルサのペドリは2度の警告で退場に。また、個々の気持ちが高まり過ぎた結果、激しい口論が展開され、試合終了後にもダニ・カルバハルがラミン・ヤマルを挑発したことがきっかけで、両選手入り乱れる乱闘騒ぎに発展し、アンドリー・ルニンがレッドカード、両チームの計5選手にイエローカードが掲げられることとなった。
そのような試合の中で、最も“荒れていた”のはマドリーのヴィニシウス・ジュニオールだと、バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は指摘。「彼はヤマルとの小競り合いで状況を悪化させることになった。それだけではない。ペドリやフェラン・トーレスも、このブラジル人FWの悪態の被害者となった。(中略)彼にとっては、もはや日常茶飯事の光景である」と綴った。
しかし同メディアは最も強く批判したのは、このブラジル代表が宿敵だけでなく、自チームの、それも交代を命じた指揮官に怒りを向けたことで、「ピッチ上では再びエムバペとベリンガムの陰に隠れたヴィニシウスは、自らの態度によって話題の中心になろうとした」との皮肉の後、以下のように伝えている。
「試合序盤には、プロとは思えないようなシーンを、シャビ・アロンソ監督に対して演じてしまった。交代に怒りを見せたことはこれまでにもあったが、今回は“スケール”が違った。大げさな身振り、怒鳴り声、険しい表情で監督に詰め寄り、そのままロッカールームへ直行。数分後に戻ってきたものの、印象は最悪だった」
また、別の記事では具体的に、「vai tomar no culo(くたばれ)」「いつも俺だ。俺はチームを出る。出て行った方がいい」とも口走ったことがカメラで捉えられたとして、これによってこのブラジル代表選手が、2015年に制定された労働協約により、最大で5万3000ユーロ(約943万円)の罰金、もしくは2~10日の活動停止という処分もあり得ると報じた。
これについては、バルサのお膝元のメディアが憎きライバルの選手をターゲットにしたということではなく、マドリードのスポーツ紙『MARCA』も、「シャビ・アロンソは71分にヴィニシウスを交代させる決断を下したが、ブラジル人は爆発した。彼は怒りを全く隠そうとせず、その態度によってベルナベウの観客からもブーイングを浴びる結果となった」と、彼の行為を強く咎めている。
「『くたばれ!』とヴィニシウスは叫び、自分が交代させられることが信じられないと何度も繰り返した。それは指揮官に対しても、そして代わりにピッチに送られたロドリゴに対しても、到底容認できない無礼な行為だった。交代に不満を抱くことと、彼が見せたような大騒ぎを起こすこととは全く別の話である」
ただ、同メディアはヴィニシウスだけでなく、バルサの若きエースに対しても厳しい見解を示した。戦前にジェラール・ピケらとのトークショーで「マドリーは試合を盗み、不満を言い、僕の知らないことをしてくる」と発言して物議を醸していたからだ。「バルサの背番号10は試合前から主役になろうとしたが、ベルナベウのピッチ上でその姿は見られなかった」と、こちらも皮肉まじりのレポートの後で、その言動や姿勢を糾弾した。
「あれほど大きな波紋を呼びながら、実際に試合でチームに与えたものはごくわずかで、最終的には『泥棒』と呼ばれたことを許さないマドリーの選手たちに取り囲まれて試合を終えた。彼の発言は極めて深刻であり、プロのサッカー選手としても、そしてバルサのスターとしても相応しくない。リオネル・メッシ、シャビ、アンドレス・イニエスタの誰ひとりとして、あのような暴言を口にしたことはなかった。ジョゼ・モウリーニョとペップ・グアルディオラの時代ですら、そんなことはなかった」
そして同メディアは、「ラミンには世界最高の選手になる素質が全て備わっている。それだけに、自身の発言や露出の仕方をもっと慎重に考えなければならない。そうでなければ、嫌われる選手になってしまうだろう。彼はメッシ、シャビ、イニエスタといったクレたちの『偶像』を手本にできる立場にいながら、あえて『ネイマール』のようになろうとしているのは、実に残念なことだ」とも綴っている。
構成●THE DIGEST編集部
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