10月30日に行われた日本シリーズ第5戦(甲子園)は、阪神が延長11回の末に2-3で敗れ、通算1勝4敗で日本一を逃した。第2戦を除けば全て1点差という緊張感あふれる展開が続いたものの、試合を決定づける最後の1本が出なかった。
流れが変わったのは8回。シーズン50試合連続無失点という偉業を達成した石井大智が、外角寄りのストレートを柳田悠岐に捉えられ、同点2ランを被弾。さらに延長11回には、村上頌樹が外角のストレートを野村勇に右翼へ運ばれ、これが決勝点となった。阪神投手陣はストレート主体で押す場面が目立ったが、甲子園特有の風向きや打球の伸びやすい方向を考えると、内外角の配分にもう少し工夫が必要だった。
解説を務めた阪神の岡田彰布オーナー付顧問は、
「負け方が悪い。ひとつ勝って4つ負け」
と厳しい言葉で総括。外角の直球が狙われていた点を踏まえ、勝負球の選択や球の見せ方に課題が残ったと指摘した。
指揮を執った藤川球児監督の敗戦の弁はというと、
「相手の力が上回った。やるべきことが見つかった」
佐藤輝明が全5試合で打点を挙げるなど、主軸として存在感を発揮したが、5番以降の打撃力不足は最後まで改善できず、好機を生かし切れなかった。
悔しさが残る一方で、投打ともに互角以上に渡り合える手応えを得られたはずだ。岡田顧問の辛口コメントは、裏返せば「あと一歩」という期待の表れといえる。
(ケン高田)

