スポーツランドSUGOで行なわれているスーパーGT第6戦。各車のサクセスウエイト量がシーズン中で最も多くなるレースであり、ポイントリーダーの1号車au TOM'S GR Supraには上限の100kgが課されているが、あろうことか彼らは予選で4番グリッドを確保してみせた。
au TOM'Sのサクセスウエイト100kgは、実際には搭載ウエイト50kgと燃料流量リストリクター3段階ダウンを掛け合わせたものとなっている。これだけ燃料流量が抑えられていると大幅なパワーダウンは避けられないだろう。その中で、エンジンパワーの影響が小さくなるウエットコンディションならまだしも、ドライコンディションの予選で4番手に入るのは驚きというほかない。
Q2のアタックを担当した山下健太も「まさかドライでここまでいけるとは想像していなかった」と振り返っている。
いわゆる“3リス”のハンデがあると、パワーが必要な最終コーナーの上り坂はさぞストレスを感じるのではないか……しかし山下曰く、あまり大きな影響は感じないのだという。
「その中でもけっこうエンジンが頑張ってくれているのだと思います。乗っている感じでは、3リスがかかっている感じはあまりないです」
「周りと一緒に走ると、どうしても遅いのですが、ひとりで走っている分にはあまりそれを感じません。エンジンが頑張ってくれているのかなと」
「前からトヨタはエンジンのドライバビリティはすごく良いし、パワーに関しても以前はちょっと他に負けているかなという印象もありましたが、最近はそういった印象もありませんし、頑張ってくれているのだと思います」
「今回に関しては、選んだタイヤも、クルマのセットも、全てで100%以上のパフォーマンスが出た結果だと思います」
さて、au TOM'Sは決勝でもこのポジションをキープできるのか? 決勝は予選よりも気温が上昇することが見込まれるが、山下は予選では柔らかめのタイヤコンパウンドを使用したためファーストスティントではそのタイヤを使う必要があるとしたものの、後半スティントに向けては硬めのタイヤを残しているため、「暖かくなっても大丈夫だと思います」と自信をのぞかせた。
「ただ、SUGOでは何が起きるか分かりません。誰かにぶつけられる可能性だってありますし。だからあまり高望みしないで、いつも通りしぶとくやれればいいかなと思っています」

