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『ばけばけ』真面目なヘブン先生(記者)にネット賞賛 実は松江中学には小泉八雲の前に「ヤバい外国人教師」がいた?

『ばけばけ』真面目なヘブン先生(記者)にネット賞賛 実は松江中学には小泉八雲の前に「ヤバい外国人教師」がいた?


『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

【画像】え…っ! 夫婦で立って並ぶと「なんか小っちゃくてかわいい」 コチラが小泉八雲さん(ギリシャ人)と小泉セツさん(日本人)の身長差です

かなり問題のあるお雇い外国人

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。第5週では、ついに主人公「松野トキ(演:高石あかり)」の未来の夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が、中学の英語教師として松江市にやってきました。

 25話では新聞記者の経験しかない状態で招かれたヘブンが、花田旅館の部屋にこもって必死に日本語や教育の勉強をしていたことが判明します。頑固で怒りやすい面もあるヘブンですが、教師という仕事に真剣に向き合う姿勢が分かり、SNSでは

「真面目すぎるから、教師の資格持ってない日本語も話せない自分が教壇に立っていいのだろうかって、周りの期待が大きければ大きいほど不安になっちゃったんだな」

「部屋にこもって記事を書いてるのかと思いきや震えながら日本に来て、一生懸命言葉勉強して、それでも怖くて部屋から出られないヘブン先生、いとしすぎん?」

 などと、彼に好感を持った視聴者の声が相次ぎました。来週以降は、ヘブンが教壇に立ってどんな授業をするのかも見どころです。

 モデルのラフカディオ・ハーンさんは、1890年4月にハーパー社という雑誌の特派員として来日したものの、契約関係で揉めたことで同社と絶縁し、その後知人の日本学者バジル・ホール・チェンバレンさんや、ニューオーリンズで開かれた万博(1884年)で知り合った文部官僚の服部一三さんの助力で、島根県での教職を得ます。そして、8月30日に松江に到着しました。

 ちなみに、ハーンさんは島根県尋常中学校(松江中学校)の初の外国人教師ではありません。彼の前任は、カナダ人のM. R.タットルさんという人物です。このタットルさんは、かなり問題のある教師だったといわれています。

 ヘブンの通訳で同僚の「錦織友一(演:吉沢亮)」のモデルで、尋常中学校の教頭をしていた西田千太郎さんの日記には、タットルさんについて「教授上不完全の点なきにあらざるを以て、本月限解雇」(1890年7月28日付)と書かれていました。また、同年8月6日の山陰新聞の記事には、「当尋常中学校の外国英語教師は、いよいよ英国人ラフカヂオ・ヘルン氏がタットル氏の後を引き受けることとなり、来る九月より就職のはずなりと」という記述があります。

 タットルさんは、教師としてどのような点が「不完全」だったのでしょうか。記録によると、敬虔なクリスチャンだった彼は生徒にキリスト教の優位性をたびたび説いていたようです。ハーンさんが教師として当時の島根県知事・籠手田安定さんと交わした契約書の第11款を見ると、「学校生徒ニ対シ宗教ノ利害得失ヲ談論スヘカラス」と書かれていました。

 タットルさんの影響で、このような項目が作られたと思われます。ただ、ハーンさんは厳格なカトリックの大叔母のもとで育てられ、キリスト教を嫌うようになった人物なので、契約がなくともタットルさんのようなことはしなかったでしょう。

 また、松江中学が編纂した『旧師小泉八雲先生を語る』という書籍では、タットルさんについて、当時の生徒から「大変な寒がりで、授業中にストーブの前に毛布を敷いて横になっていた」「穴があいている服を着ていた」「ハーンさんが生徒を『ジェントルマン』と呼んでいたのに対し、タットルさんは『ボーイ』と呼んでいた」といった旨の証言が語られていました。

 タットルさんに限らず、当時のいわゆる「お雇い外国人」のなかには、日本文化や日本人を見下す問題人物も多かったといわれています。ハーンさんのように、日本を愛し敬意を払う人物は珍しかったため、彼は松江市民から敬愛されていたそうです。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

配信元: マグミクス

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