4連敗でソフトバンクに日本一の座を許した阪神の日本シリーズ第5戦、テレビ中継の解説席に座った阪神の岡田彰布顧問は、2戦目が転機だったと指摘した。「日本シリーズはいい投手から」というセオリーを覆し、実戦から遠ざかっていたデュプランティエを2戦目に先発させ、1回2/3を7失点KO。ホークス打線を勢いづけてしまったことを悔やんだ。
「短期決戦だから、流れ的には2戦目の負けがね。1戦目、勝ったわけですからね。そこから4連敗したわけでしょ。結局、そこが大きかったなと思いますね」
そして5試合で見えてきたのは、阪神が抱える深刻な弱点だった。阪神は5試合で8得点。ソフトバンクは2戦目の大勝を除けば全て1点差ゲームで、3勝1敗と勝負強かった。この差はそのまま、打線の層の厚さの違いとなる。
阪神の5試合全8得点中、4番の佐藤輝明は全試合で1打点ずつ挙げたが、他は森下翔太、大山悠輔、坂本誠志郎がそれぞれ1打点のみ。ランナーはそれなりに出して得点機を作ったが、あと1本がなかなか出ない展開が続いた。
不振だった5番・大山以降の打線には迫力なし。佐藤以外はほとんどチャンスを生かせず、代打陣もさっぱり。下位打線や1・2番がチャンスを作ってクリーンアップが決める、というパターンを演出できなかった。
投手陣はそれなりに健闘したが、層の薄さを露呈した下位打線と控え野手。
「そいうった意味では、先のドラフトで獲得したメンバーは理にかなっている」
スポーツライターはそう指摘するのだ。
阪神はドラフト1位で右の大砲候補となる立石正広内野手(創価大)、2位で広角に長打を打てる谷端将伍内野手(日本大)、3位で足と肩が魅力の走攻守三拍子そろった岡城快生外野手(筑波大)と、即戦力の大学生野手3人を上位で指名している。
この3人の獲得は日本シリーズでさらけ出した弱点を補うものとなりそうで、数年後には佐藤や伊藤将司、村上頌樹、中野拓夢、石井大智といった現在のチームの主力を獲得した2020年のドラフトと並んで、神ドラフトと称されるかもしれない。
単年契約のデュプランティエがすんなり残留となるかは不明だが、FA権を獲得した近本光司は超高額オファーでの残留が基本線。今オフのポスティングを希望している才木浩人については、球団は直ちに認めず、来季はひとまず残留になる公算が大きい。
ドラフト上位組が揃って期待に応えれば、リーグ連覇と日本一は近づいてくる…。
(石見剣)

