バクー市街地サーキットでF1アゼルバイジャンGPと併催されているFIA F2第12戦。9月20日(土)のスプリントレースでは、フェラーリ育成のディノ・ベガノビッチ(ハイテック)が勝利を飾った。
前日の計時予選では30分のセッションで3度の赤旗が提示される大荒れの展開となったが、アストンマーティン育成のジャック・クロフォードが一番時計。土曜日のスプリントレースは予選上位10名がリバースグリッド方式となるが、予選で多くのペナルティが発生したため序列にも変化が。予選10番手のラファエレ・ヴィラゴメス(VAR)がポールポジション、ベガノビッチがフロントロウに並んだ。宮田莉朋(ARTグランプリ)は18番手からの出走となった。
タイヤ交換義務のない21周のレースがスタートすると、ベガノビッチが好発進。一方で蹴り出しが遅れたヴィラゴメスが、マクラーレン育成のマルティニウス・ステンショーン(トライデント)とレッドブル育成のジョセップ・マリア・マルティ(カンポス)にサンドイッチされる形でターン1で交錯……続くターン2でクラッシュが発生して早速セーフティカー出動となった。
レースは5周目からリスタート。首位ベガノビッチの後ろには、混乱から抜け出したセバスチャン・モントーヤ(プレマ)とステンショーンが続いた。
ステンショーンは今回がF2昇格戦だが、既にマシンを手懐けたか7周目のターン3でモントーヤのインを差して2番手に浮上。3秒先で逃げるベガノビッチを追いかけたが、8周目にまさかのスローダウン……コース上でマシンを止めたことで翌周にはバーチャルセーフティカー(VSC)が提示され、その後セーフティカーに切り替えられた。
上空からポツポツと雨粒が落ちてくる中で13周目からレース再開となり、ベガノビッチは築いたタイム差が帳消しとなったもののリスタートを決めて首位を維持した。
マクラーレン育成のアレクサンダー・ダン(ローディン)はチャンスを活かし、ウイリアムズ育成のルーク・ブラウニング(ハイテック)を交わして3番手に浮上したものの、15周目のターン1で痛恨のロックアップ。ポジションをブラウニングに明け渡した。
ハイテック勢はレース後半もペースが良く、ブラウニングが18周目のターン1でモントーヤを交わして2番手に浮上し、約5秒前方のベガノビッチと共に1−2態勢を築いた。3番手に後退したモントーヤには、追い打ちをかけるようにマシントラブルが発生。ペースが著しく下がり、表彰台圏内からズルズルとポジションを落とすこととなった。
先頭に目線を戻すと、首位ベガノビッチが無風のトップチェッカーでF2初勝利を手にした。6秒後方でチームメイトのブラウニングが2位フィニッシュを果たした。モントーヤの後退により、ダンが3位に戻ることができた。
クラッシュやトラブルなどが頻発する中で宮田は12位での完走となった。

