スーパーGT第6戦SUGOで、今季初優勝を狙うホンダ陣営は16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTがポールポジションを獲得した。ただ、その他の4台は8番手以下に沈むなど、陣営全体として見れば手放しでは喜べない予選となった。
「他のクルマ(16号車以外)が全てのセクターをうまくまとめきることができなかったという部分もあり、下位に沈んだのが厳しかったですね」と予選を総括するのは、HRC(ホンダ・レーシング)の佐伯昌浩ラージ・プロジェクトリーダー。16号車以外の結果を列挙すると、17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTが8番手、8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTが11番手、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTが13番手、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが15番手だった。
ただ最下位の100号車STANLEYに関しては、トラブルが起きていた様子。原因は調査中であるものの、ドライバーが不安定な挙動を感じた結果アタックを中断したという。
「100号車については原因がまだ分かっていませんが、クルマがコーナーで非常に不安定であったということで、途中でアタックをやめたという形です」
「見てすぐに分かるような部品がおかしいというわけでもなかったので、今晩かけてしっかり原因を追求しないとまずいという状況です。何かしらメカニカルなトラブルが起きているのだろうなと思われます」
なお、陣営最上位のランキング8番手につけるSTANLEYが最後尾スタートになるという事実によって、ホンダ陣営が第6戦終了時点でタイトル争いから完全に脱落してしまうというシナリオがにわかに浮上している。
例えば、今回4番グリッドを獲得したポイントリーダーの1号車au TOM'S GR Supraが決勝レースで3位以上に入ると、ホンダ陣営チーム全車とのポイント差が42ポイント以上に広がる可能性が出てくる(注:残り2戦での最大獲得可能ポイントが42)。グリッド下位の100号車STANLEYや8号車ARTAが決勝でポイントを積み上げられず、なおかつポールシッターの16号車ARTAが優勝を逃せば……2戦を残して逆転の可能性が消滅することもあり得る。
2024年の投入以来、同時期のGRスープラの台頭もあってここまで1勝しかあげられていないシビック・タイプR-GT。しかしながら、空力開発の凍結が解除される2026年シーズンに向けては、ベース車両を変更するのではという噂が日に日に強くなっている。ベースとなるのは先日新型が発売されたプレリュードで、近々何かしらの動きがあるのでは……とも言われているが、HRCはこの噂についてmotorsport.comに対し「ノーコメントです」と答えるにとどめた。

