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「訂正しなければ訴える」といった内容のFAXも届いて…過疎にあえぐ自治体に近づき公金を食い物にする悪徳コンサルの実態を暴いた裏側とは?

「訂正しなければ訴える」といった内容のFAXも届いて…過疎にあえぐ自治体に近づき公金を食い物にする悪徳コンサルの実態を暴いた裏側とは?

信頼を積み重ねることが、次につながっていく

窪田 横山さんには今日初めてお会いしたんですが、実は会う前は、怒ってばっかりのすごく怖い人なんじゃないかなと思っていたんです(笑)。でも実際にお会いすると全然そんなことはなくて、柔らかな感じの好青年で、とても安心して対談に臨むことができました。

横山 この間も別の人に「怖い人かと思っていた」と言われました(笑)。でも、取材先では最初、チャラチャラしてるように見られることが多いんです。取材に行っても「なんかヘラヘラした兄ちゃんが来たな、これでも書いとけ」みたいな感じになる。

自分では全然「ヘラヘラしてる」つもりはないんですけど、そこは仕事で納得してもらうしかないんだろうと思っています。話を聞いたらちゃんと記事を書いて結果を出す、それによって信頼を積み重ねて次につなげていく。そうすることでしか私は新聞記者として仕事してこられなかったし、その姿勢は今も変わっていないです。

窪田 ちなみに、次の本につながるようなテーマは今、何か考えてらっしゃいますか。

横山 日々の積み重ねでしか仕事をできないので、「次のテーマ」と言われると困ってしまうんですが……何か気になることがあると熱中するタイプではあるんですね。今は宮城県知事選が近いので、6選を目指している村井嘉浩知事が高市早苗さんと同じ松下政経塾出身ということで、松下幸之助の本を読んでそのことばっかり考えています(笑)。今日もちょうど朝刊に記事を載せたところなんですが、この先も取材先や協力者から聞いた話をきっちり記事にしていって、それが続けば「松下幸之助とは」みたいな本になるかもしれないし、また違う方向に行くかもしれないし……いずれにしても、今後も真面目に仕事していきたいなと思います。

窪田 ありがとうございます。実はあと、『過疎ビジネス』が売れたということで、印税の使い道もちょっと気になっていたんですが(笑)、それはまた別の機会にお聞きしたいと思います。今日はありがとうございました。

撮影/甲斐啓二郎
構成/仲藤里美

※2025年10月6日、紀伊國屋新宿本店で行われたイベントを採録したものです

過疎ビジネス

横山 勲過疎ビジネス2025年7月17日発売1,100円(税込)新書判/280ページISBN: 978-4-08-721373-7

コンサル栄えて、国滅ぶ――。

福島県のある町で、「企業版ふるさと納税」を財源に不可解な事業が始まろうとしていた。
著者の取材から浮かび上がったのは、過疎にあえぐ小さな自治体に近づき公金を食い物にする「過疎ビジネス」と、地域の重要施策を企業に丸投げし、問題が発生すると責任逃れに終始する「限界役場」の実態だった。
福島県国見町、宮城県亘理町、北海道むかわ町などへの取材をもとに、著者は「地方創生」の現実を突きつけていく。
本書は「新聞労連ジャーナリズム大賞」受賞の河北新報の調査報道をもとに、さらなる追加取材によって新たに構成した一冊。

◆目次◆
第1章 疑惑の救急車
第2章 集中報道の舞台裏
第3章 録音データの衝撃
第4章 創生しない地方
第5章 雑魚と呼ばれた議員たち
第6章 官民連携の落とし穴
第7章 自治の行方

提供元

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