
吉永小百合が10月31日に都内で行われた映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」の初日舞台あいさつに、佐藤浩市、天海祐希、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずき、阪本順治監督と共に登壇した。
■映画出演124本目で登山家の役に挑戦した吉永小百合
本作は、1975年にエベレストの女性世界初登頂に成功した登山家・田部井淳子さんの実話をもとに、映画出演124本目となる吉永を主演に制作された。監督は、「北のカナリア」以来、13年ぶりに吉永とタッグを組んだ阪本順治。
田部井さんをモデルにした主人公・多部純子(吉永)が、余命宣告を受けながらも、亡くなる直前まで山に登り続ける姿が描かれている。純子の夢を応援して献身的に支え続ける夫・正明を佐藤が、順子の山仲間で親友の新聞記者・北山悦子を天海が演じている。また、純子の青年期をのん、正明の青年期を工藤、悦子の青年期を茅島が演じ、純子と正明の長女・教恵を木村、長男・真太郎を若葉が演じている。
吉永は「私は124本目の映画になるんですけど、昔はこのような初日舞台あいさつがなかったのですが、最近はステージに上がらせていただくことが多く、次の日を思ってドキドキしております。昨日の天気予報で『明日はちょっと難しい天気になるだろう』ということでしたので胃がシクシク痛むような思いでした」とあいさつ。
続けて、吉永は「3年くらいかかって、やっと皆さんのお目にかけることができたのはとてもうれしいことです。今日はじっくりと楽しんでいただけましたらと思っております」と初日を迎えたうれしい気持ちを伝えた。
夫役の佐藤は「こんな大きな劇場だと思わなかったんですけど」と劇場内を見渡して驚きつつ、「渡辺謙さんには申し訳ないんですけど、昨日、阪神が負けたので、皆さん、あまり後ろ髪を引かれることなく劇場に来れたんじゃないかなと思っております。すみません」と阪神タイガースファンの渡辺の名前を出して、会場を和ませた。

■のん「吉永さんと田部井さん、お二人のパワーが膨れ上がっている映画だなと思いました」
天海は「偉大な女性を、偉大な女性が演じた映画が今日公開になりました。たくさんの方に見ていただけたら幸せです。そして勇気と、みんな一人じゃ生きていけないんだなっていうことをつくづくと感じがられる、すごくすてきな映画です」と映画の魅力を語る。
「私は悦子さんが純子さんを大事に大事に思っている眼差しで見ていたのと同じように、撮影中、私も憧れる人を見る眼差しで見ている顔を撮ってもらえた映画だと思っています」と、天海は吉永へのリスペクトの気持ちも伝えた。
純子の青年期を演じたのんは「この作品に参加することが決まって、本当に嬉しくて家の中で飛び上がってしまうほどの大興奮だったんですが、撮影を終えて、こうやって皆さんに見ていただけるんだなと思うとすごくワクワクします」とこの作品に参加できた喜びを伝える、
さらに、「吉永さんと田部井さん、お二人のパワーが膨れ上がっている映画だなと思いました。見るとちょっと人生が豊かになる映画だと思いますので、皆さんの人生も豊かになる気がするのでじっくりとご覧ください」と呼び掛けた。


■佐藤浩市、父親・三國連太郎さんの物まねを披露
映画のタイトルにちなんで「てっぺんの向こうに〇〇がいる」を発表。工藤は「おいっ子」と答え、「いやぁ、かわいんですよね。甥っ子バカです!」と生後7カ月のおいっ子への溺愛っぷりを発表した。
佐藤は「てっぺん」と回答。「僕も100本以上の映画をやっておりまして、45年この世界にいて、『そこそこ登ったかな』って思って景色を見たら、まだてっぺんが。ともかく、いくら歩めど頂上に行けないのがこの世界だ。てっぺんの向こうにはてっぺんがある」と説明すると会場から大きな拍手が起こった。
今作で初めて吉永と夫婦役を演じたことについては、「上映前なので言えないです」とネタバレを避けつつも、「まさかまさかで、ご一緒することはあるにしても、まさか夫婦役をやらせていただくことなんてないと思ってなかったですから。そんな日が来るなんてことは、亡き三國も思ってもみなかっただろうし、自分にとっては驚きでした」と父親・三國連太郎さんの名前を出して答えた。
MCから「報告したら何とおっしゃると思いますか?」と聞かれると「あぁ、そう」と三國さんっぽく答え、阪本監督に「物まね?」と小さな声でツッコまれていた。

■「てっぺんの向こうに〇〇がいる」天海の答えは「自分」
「てっぺんの向こうに〇〇がいる」の回答の続きは、天海は「自分がいる」と答え、「どこまで行っても自分がいます。いつまでたっても自分との戦いですから」と回答の説明をして、「浩市さんのも分かります!偉大な先輩たちがいらっしゃいますからね」と佐藤の答えにも共感していた。
茅島は「母親」と答え、プロゴルファーを目指していた小中学生の頃を振り返り、ゴルフに打ち込めたのは「母親のおかげ」と感謝した。木村は「仲間」、若葉は「友達」と回答。姉弟役を演じた二人だけに、似たような回答に。
のんの答えは「お布団」。「一生懸命、自分が頑張って仕事をしたり、日々生活したり、生きていく中で、毎日お家に帰ったらお布団に入っていっぱい寝て、三度寝くらいするぞ!っていうくらいの気概で頑張ってるんです」と力強く答えた。佐藤に「俺や天海が言ったことはどうなんだよ?」と言われると、「『うわぁ、失敗した! 趣旨が違う!』って思ったんですけど」とちょっと反省しつつも「私は『お布団』です」とキッパリと答えた。

■吉永小百合、感謝の気持ちを込めて「観客の皆さま」と回答
吉永の答えは「観客の皆さま」。「このようなお天気の日に、公開初日に全国の映画館にこの映画を見に来て下さった方々。とてもありがたく、うれしく思っております」と話すと会場から温かい拍手が響いた。「若い方に見ていただいても楽しい映画だと思いますし、私たちの世代の方も、これから生きていこうという思いにさせるような映画だと思っております。
最後は吉永が「先ほども観客の皆様に感謝の気持ちをお伝えしましたけれども、本当にそれが胸の中に残っております。この映画、みんなで一生懸命作りましたので、どうぞどうぞお帰りになる時にあったかい気持ちになっていただけたらと思っております。ありがとうございます」というメッセージを伝えて舞台あいさつを締めくくった。
映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」は現在全国公開中。
◆取材・文=田中隆信


