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「元セクシー女優」の枠を超えて──上原亜衣が語る“偏見を乗り越えた再出発”「日本と海外を繋ぐ架け橋になりたい」

「元セクシー女優」の枠を超えて──上原亜衣が語る“偏見を乗り越えた再出発”「日本と海外を繋ぐ架け橋になりたい」

インフルエンサー、グラビアモデル、実業家、投資家……。さまざまな肩書きを持つ上原亜衣。そんな彼女が有名になったのは「セクシー女優」という時代があったからだ。生き残りが難しい業界の中で活躍を続ける上原亜衣は、何を思い今を生きているのか。彼女が語る引退後の挫折とこれから。 (前後編の前編)

セクシー女優引退後「承認欲求を感じた」

元人気セクシー女優の過去をもち、現在はインフルエンサーで実業家でもある上原亜衣さん。

現役時代は、『DMM年間AV女優ランキング(2013年)』で1位、『DMMアワード2014・最終優秀女優賞プラチナ』に輝いた。セクシー女優の誰しもが憧れる賞を受賞し、まさに「これから!」と言う時に彼女は引退を選んだ。人気絶頂の中、なぜ卒業することを決めたのか。

「私は企画女優からはじまって、『この業界で1番を目指そう!』と決めて、いくつか賞も頂いて…。支えてくれたファンの方や事務所の方のためにも、受賞後も続けていたのですが、自分の中では『もうやりきったな』っていう気持ちと『この先何を目指したらいいんだろう』という葛藤があったんです。自分が最もいい状態で身を引くのが潔いのかな、って」

そして、ファンや業界関係者から惜しまれながらもセクシー業界を引退した。多忙だった毎日から解放されるように、引退後は全てのSNSのアカウントを消去した。現役時代にできなかったことをしようと旅先などで過ごしていたそうだが、周りの現役セクシー女優たちの変わらぬ活躍を見て「(自身の)承認欲求を感じた」と照れくさそうに笑った。

「みんながずっとキラキラし続けているのを『いいなぁ』って純粋に思いました。そんなときに、ファンの人たちが『あいちん元気?』『あいちん最近何してるの?』と、私の仲の良かった女優友達に聞いてくれていたことを知って。引退しても気にかけてくれていたことが嬉しかったし、私も久々にファンの人に会いたいなって思いました」

そして彼女は、インフルエンサーとして発信を始めることに。

インフルエンサーとしての再出発。そして実業家に 

再びSNSアカウントを開設するとフォロワーは瞬く間に増えた。上原さんは謙遜気味に「友達が拡散してくれたから」というが、彼女の人気は衰えていなかったからだろう。そして、ファンミーティングを皮切りに、その知名度を活かしYouTubeチャンネルの開設、エステ事業、飲食店事業と次々と実業を展開していく。

「引退して一般人として暮らしている中で『このまま何もやらない人生はなぁ…』と漠然と感じていました。表に出る活動を復活させたことで、以前のファンのみんなが戻ってきてくれたり、『上原亜衣と一緒に働きたい!』と言ってくれる方もいました。セクシー女優時代に、“上原亜衣”を頑張ってきて良かったなと思えた瞬間でもありました」

しかし、キャリアを切り替える中で、上原亜衣としてしての知名度が全てプラスに働いた訳ではなかった。元セクシー女優であるということに対し、「社会的な偏見を感じる場面もあった」と語る。

「元々セクシー女優時代に個人事業主として会社は作っていたんです。その会社で引退後、1店舗目のエステサロンをオープンする際に、希望していた物件を借りることが出来ませんでした。セクシー女優だったのは過去の話だけど、一般人からしたら現役セクシー女優も元セクシー女優も同じ。偏見の目で見られてしまうんだな、と痛感しましたね」

審査の基準は明確ではなかったものの、自身の過去が足かせになっているのだろうと感じたという。希望する物件を借りることは叶わなかったが、無事に別の物件で契約ができ、事業は順調に進んだ。

1店舗目の成功もあって、2店舗目を出す時にはスムーズに物件を借りることができ、嬉しさを感じたそうだ。

「物件を借りられないところからのスタートだったから、やっと、私が今やっている事業が認められたんだな、と自信につながりました」

最近、彼女は「元AV女優がメディアに出ること」の是非についてSNSで言及し、注目を集めた。その投稿をしたのは、彼女の味わった苦労やこれまでの努力を伝えたい、という気持ちからだという。

同じ投稿内では、「私はセカンドキャリアに悩む人たちの力になりたい」とも語っているが――。

「セクシー業界や風俗業界で働いてきた人たち、私の会社で働いてくれてる子たちが次のステージを生きてくためのサポートができたらいいなと思いました。

そういった業界って演者やキャストにはとても優しすぎるような環境で、それに慣れてしまうとなかなか感覚を元に戻せない。高収入で高待遇なんです。でも、ずっとは続けていけない仕事だという危機感は、本人たちも少なからず持っています」

当人に対しては、個人的にヒアリングをしながらアドバイスや選択肢を提案してみたそうだ。しかし「人の価値観を変えることってすごく難しいと感じました」と話す。一度上がってしまった生活水準を下げることは容易ではなかった。ましてや他人の感覚を変えることはなおさらだ。

「私にできることは何だろうって考えた時に、自分の働き方を通して生き方を見せることではないかと思いました。直接は変えることができなくても、私が新しい仕事や事業にチャレンジすることで何かを受け取ってもらえたらいいなって」

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