多彩な活動
百瀬純平の展開していることで興味深いことは、まだまだある。

百瀬は、これまで
【FUN Skiing for kids at KIRORO~プロスキーヤーと一緒に滑ろう!~ Produced by ZASSO】を3シーズン、開催してきた。これは、難病で入院・通院している子どもとその家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」への寄付を目的として、プロスキーヤーと子どもたちがスキーをツールに雪遊びを楽しむチャリティイベントだ。
「難病を抱えた子どもたちのなかにも、やっぱり雪が大好きな子たちも必ずいると思うんです。その子どもたちに少しでも元気を与えてあげたい、なにかサポートできないかなって。周りに『よくそんな大企業と組めることになったね』と言われるんですけれど、僕には営業力なくて、そういうことは苦手なんですけど、周りの仲間が営業してくれるんですよ。この企画も仲間がマクドナルドのフランチャイズの社長さんを知っていて、『こんな熱い気持ちでコラボイベントやりたいっていうヤツがいるんですけど』と話しを持ちかけてくれて、そこから繋がって実現したという背景です」
百瀬純平の、「人と楽しいことをしたい、楽しい時間を過ごしたい」という想いと熱量は、自ずと人を集め、人を動かし、強いエネルギーとなって出逢いや幸運をも引き寄せるのだろう。
そして、ジュニアオールラウンダーチャンピオンシップ、北海道ネットワーク、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」へのチャリティイベントなど、百瀬の雪を通じて子どもたちを支援したいという思いが伝わってくる。
「そうですね。北海道って豊かな自然をフィールドに、スキーを通して子どもたちが成長できたり、友達がたくさんできる場でもある。この土地柄を活かして機会をつくり、子どもたちが楽しくスキーをして、スキーを大好きになってもらいたい。そんな気持ちがやっぱり一番にあります」

全部が「楽しいが好き」から広がっていく
百瀬純平は本当に人が好きで、人と楽しいことをやりたい人間なのだ。自ら主宰する「ZASSO」というブランドも、「ゲレンデで知らないスキーヤー同士がコミュニケーションをとりやすくなるようにネックチューブをつくった」ことが始まりだった。

「せっかく同じスキー場にいるスキーヤー同士なんだから、目があったときお互い無視とか、僕そういうのがすごく嫌なんです。いい雪ですねとか、天気いいですね、とか、なんかひと言、会話があってもいいじゃないですか。だから、もし知らない人でも同じZASSOのネックチューブを口元につけてたら、『あれ、あなたもZASSOなんですね~』『ああ、どうも!』なんてコミュニケーション取れるキッカケになるんじゃないかなって。
その思いから最初始めたんですよ。だから物を売って儲けようなんて、これっぽっちも思ってなかったんですよね(笑)」
この投稿をInstagramで見る稲川 光伸(Mitsunobu Inagawa)(@mitsunobu_inagawa.official)がシェアした投稿
……それでブランドを立ち上げるとは、なかなかの変わり者、いやツワモノである。しかし、百瀬純平とは、こういう男なのだ。そうなると俄然、聞いてみたくなった「百瀬純平の人生を変えた一本」。どんな答えが返ってくるのか?
「ゴールはできなかったんですけど、初めて全日本の大会で決勝に残ったときカービング種目があって、そこで僕、転んだんです。それが自分の起点になる1本だったのかなという感じはします。うまさやカッコ良さと全然違うところで、キャラ勝ちした1本、みたいな(笑)」
???一体どういうことか?
「そのとき決勝に残った60人中50人ぐらいが種目別1位になっちゃったんですよ。僕が転んじゃったことによって計算式がおかしくなっちゃって、同じ点数になっちゃった。それで「アイツが転んだせいで、みんな1位になっちゃったじゃねえかよ! 北海道の百瀬純平って誰よ?!!」「はいっ俺っス!」みたいな(笑)。
おかげで、当時まったく無名だった自分が、この一本で一気に顔と名前を売りました。これで技術選に楽しさを持ち込みたいって思いもアピールしやすくなったし、盛り上げ役も僕の十八番になりました(笑)」
そんなルーツがあったとは。
技術選62年の歴史も驚かせたシーンきっての盛り上げ役、百瀬純平の替わりは誰もいない。
Profile
百瀬純平 JUMPEI MOMOSE

北海道小樽市出身、アルペン競技から基礎界へ、技術選への参戦、デモンストレーターとして19年間活躍。2019年には日本代表としてインタースキーに出場も。’24ー25シーズン、競技を引退。
キロロスノーアカデミー校長を務めて10年目を迎える。パウダー・フリーライドも大好きというオールラウンダー。㈱Snow Kitchenを主宰し、レッスンやキャンプなどの指導から大会・チャリティイベントも企画、自身のブランド「ZASSO」ではスキーからアクセサリーまで展開するマルチタレント。
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