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得点力不足にあえぐ広島の現実的な解決策「2日間はセットプレーの練習に割けた」。狙い通りの3得点でルヴァン杯制覇

得点力不足にあえぐ広島の現実的な解決策「2日間はセットプレーの練習に割けた」。狙い通りの3得点でルヴァン杯制覇


[ルヴァン杯決勝]広島 3-1 柏/11月1日/国立競技場

「実際、ボックスまではすごく良い形で行けている。そこから先を突き詰めていかないといけない。ボックス内で良いプレーができるかどうかにもっとこだわる必要がある。そこを今後1週間、フォーカスしていきたい」

 これは、サンフレッチェ広島が10月25日のJ1第35節・横浜F・マリノス戦を0-3で落とした後、広島のミヒャエル・スキッベ監督が語ったことだ。

 今季のJ1での数字を見ても、広島の総失点26(35節時点)はリーグ最少だが、総得点の39は中位。上位グループ(5位以内)ではワーストだ。それだけ広島は深刻な得点力不足にあえいでいるということだ。

 この課題を克服しない限り、タイトルは手にできない。それはチーム全体が強く認識していた点に違いない。11月1日、広島はルヴァンカップ決勝で柏レイソルと対戦。大一番に向け、指揮官が目を向けたのがセットプレーだった。

 得点力不足のチームが流れの中で得点しようと躍起になっても難しいが、リスタートであれば、敵の弱点を徹底的に突くことで確率は上がる。まさに“現実的な解決策”に他ならなかったのだ。
 
「これまで我々は(超過密日程で)1週間を取るのがなかなか難しかったが、今週は落ち着いてトレーニングに向かえた。そのなかで2日間はセットプレーの練習に割くことができた。今回(ルヴァン杯決勝の柏戦)のように身体能力的に上回っている相手に対し、本当に有効になるプレーだと思います」とスキッベ監督は強調。それをピッチ上で選手たちに忠実に実行させたのだ。

 際立ったのが、右ウイングバックの中野就斗のロングスローだ。

 25分、荒木隼人のヘッド弾で先制した場面。中野が右タッチライン際から長いボールを投げた瞬間、敵GK小島亨介の前に佐々木翔と東俊希が立ち、荒木がヘディングするスペースを巧みに作っていた。

「今日はゴールキーパーに競り勝てるなって自信がありました。中野の肩がすこぶる良かったみたいで、いつもより良いボールが飛んできました」と荒木が絶賛。「ゴールキーパー周辺に蹴ることで、事故もあるかなっていうところで、そこで味方がうまく合わせたなという印象です」と前向きにコメント。チーム内の高度な意思統一が値千金の1点目に凝縮されていた。

 45+2分のチーム3点目も同様だ。小島の前に佐々木と東が立ち、中野のロングスローを佐々木が頭でファーに流す。これをジャーメイン良がボレーで決めているのだ。

「相手が2枚で僕をブロックして出さないようにして、シンプルに空中戦で戦うっていうところで、そうなってしまうと相手の強みがどんどん出てきてしまう。やっぱり自分たちの準備不足と実力不足が大きかったかなと。

 中野選手のロングスローがあるのも分かっていましたけど、相手が対応を変えてきたなかで自分たちが臨機応変に反応する必要がありました」と柏の守護神・小島も反省の弁。今回に関しては明らかに広島の方が上手だったと言っていい。
 
「今週はセットプレーを特に長い時間かけてやりました。練習が終わった後にコーナーキックだったり、ロングスローの練習もしていた。ゴールキーパーをブロックすることに関してもコーチ陣がすごく厳しく言っていた。ああいう形から得点できたらすごく大きいと思います」

 走行距離13キロ超と獅子奮迅の働きを見せた田中聡もこう話していたが、広島はファイナルの一発勝負を制するために、この1週間、リスタートに賭けたのだろう。東の見事な直接FKからの2点目も含め、今の広島にできる最大限のアプローチで3ゴールをゲット。GK大迫敬介と塩谷司、荒木、佐々木の鉄壁守備ブロックの力で柏の猛攻を跳ね返し、細谷真大の1点のみに抑えたのである。

 リスタートの改善という即効性のある策によって、2022年のスキッベ監督就任後、ようやく2つ目のタイトルを手中にした広島。今後もロングスローやCK、FKを最大限に有効活用していくことは重要だろう。実際、彼らには天皇杯も残っているし、J1優勝も首の皮一枚でつながっている。ただ、セットプレーだけで得点力不足のすべてを解消できるとは限らない。
 
「流れの中からの得点は今日も取れなかった。それは今年の課題ですけど、改善していきたいと思います」と田中も話した通り、“次の一手”を考えていくことが肝要だ。

 クロス精度の向上、中とのタイミングのすり合わせ、木下康介、ジャーメイン、中村草太らアタッカー陣のシュート確率のアップなど、できることはまだまだある。前線で変化をつけられるトルガイ・アルスラン、中島洋太朗らの復調もカギになるだろうが、リスタートと流れの中からの得点力を磨いていければ、広島は複数タイトルを狙える集団になれるはず。

 今回のルヴァン制覇を糧に、そういう欲を全員が前面に押し出すようなチームへ進化を遂げること。それこそが、彼らの次なるターゲットと言っていい。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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