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バクーの魔物が大暴れ! 赤旗6回の大混乱もフェルスタッペンがPP。サインツJr.とローソン大金星……角田は昇格後最上位|F1アゼルバイジャンGP予選

バクーの魔物が大暴れ! 赤旗6回の大混乱もフェルスタッペンがPP。サインツJr.とローソン大金星……角田は昇格後最上位|F1アゼルバイジャンGP予選

F1第17戦アゼルバイジャンGPの予選セッションでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得した。

 舞台は長い全開区間と狭くテクニカルな区間が組み合わされたバクー市街地サーキット。この前に行なわれたFIA F2のスプリントレースの途中からポツポツと降り始めた雨は、F1の予選セッションが開始される前に上がり青空が広がった。気温21度、路面温度28度、7.2m/sの風が吹き付けた。

 そうしたコンディションの中、現地16時から予選セッションが始まった。

■赤旗連発!|Q1

 下位5台がノックアウトとなる18分間のQ1。黄旗や赤旗、トラフィックによりタイム計測ができないリスクを考慮して、ピットレーン出口のシグナルがグリーンになると各車が続々とコースに入り、タイム計測を開始した。

 今週末はソフトタイヤとして指定されたC6タイヤが不人気。予選・決勝に向けてミディアムタイヤとハードタイヤを温存する傾向が見られた。そのため、Q1のバンカータイム用に新品ソフトタイヤを使用するドライバーがほとんどだったが、レッドブル勢やマクラーレン勢は早々に複数回のアタックが可能な新品ミディアムタイヤを下ろした。

 ほとんどのドライバーがQ1最初のタイム計測を終え、フェラーリのシャルル・ルクレールがトップに立ち、フェルスタッペンが2番手につけたところで、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンがターン1のイン側にマシンを当ててクラッシュ。これにより最初の赤旗中断となった。

 アルボンのマシン回収が行なわれ、残り11分でQ1は再開。後半に向けて多くのドライバーがソフトタイヤから新品ミディアムタイヤに切り替えてタイム計測へと出た。

 ユーズドのソフトタイヤを履くフェラーリのルイス・ハミルトンが1分41秒821を記録して暫定トップに浮上。ここまでタイムを計測できていなかったマクラーレンのオスカー・ピアストリがミディアムタイヤで0.018秒差の2番手タイムを計測した直後、2回目の赤旗が振られた。今度はターン4でザウバーのニコ・ヒュルケンベルグがクラッシュを喫したのだ。ヒュルケンベルグはフロントウイングを破損したが、幸い自力でガレージに戻ることができた。

 再開された時点でQ1は残り6分。アストンマーティン勢やレーシングブルズ勢は2セット目の新品ミディアムタイヤを投入し、5〜6番手につけていたマクラーレンのランド・ノリスやレッドブルの角田裕毅、ハース勢などは新品ソフトタイヤに履き替えた。

 ノリスはここで1分41秒322をマークしてトップに浮上。フェルスタッペンがユーズドのミディアムタイヤで0.009秒差の2番手につけた。ただ各車がQ1最後の計測を行なう中でアルピーヌのピエール・ガスリーがターン4でオーバーラン。続けざまにチームメイトのフランコ・コラピントも同じターン4の出口でクラッシュを喫したことで、Q1は赤旗終了となった。

 赤旗の原因となったアルピーヌ2台やヒュルケンベルグ、アルボンの他、その影響を受けたかハースのエステバン・オコンがノックアウトとなった。角田も赤旗のあおりを受けて最後のタイム計測ができなかったものの、12番手でQ2に駒を進めた。

■荒れた展開は続く……|Q2

 トップ10入りを決める15分間のQ2。新品もしくはユーズドのソフトタイヤでコースインしたドライバーが大半だったが、ウイリアムズのカルロス・サインツJr.やハースのオリバー・ベアマンが新品ミディアムタイヤを投入した。

 ただ各車が最初のアタックを完了する前に、そのベアマンがターン2立ち上がりのウォールにヒット。ダメージによりコース上でマシンを止めたことで、 4度目の赤旗が振られた。

 赤旗で一度中断となったQ2は残り12分で再開。ここでルクレールをはじめミディアムタイヤに履き替えるドライバーもいた。

 Q2最初のタイム計測ではユーズドのソフトタイヤを履くノリスが1分41秒396をマークして暫定トップに浮上。レッドブル勢はタイミングを遅らせて新品ミディアムタイヤを履いてコースに入り、フェルスタッペンが0.050秒差の2番手につけた。角田はチームメイトから0.521秒差の9番手だった。

 残り4分というところで、各車はQ2最後のアタックへ。ノリスは新品ミディアムタイヤに履き替え、レッドブル勢などはコース上で周回を重ねてタイムを出すことを選んだ。

 ノリスがラップを完了せずにピットインを選ぶ中、フェルスタッペンは1分41秒255でトップタイムを更新しQ2を首位で終えた。角田はフェルスタッペンから0.533秒遅れの1分41秒788で10番手ギリギリ通過。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは角田に0.069秒届かず11番手でQ2敗退となった。

 今週末はここまで好調だったハミルトンは、ソフトタイヤで周回を重ねる中でタイムを改善することができず12番手。ハミルトン以下ザウバーのガブリエル・ボルトレト、アストンマーティンのランス・ストロール、そしてクラッシュのあったベアマンがQ2敗退となった。

■フェルスタッペンが大混乱の予選を制す|Q3

 ポールポジションを決める12分間のQ3に2台で進出したのは、マクラーレン、メルセデス、レッドブル、レーシングブルズの4チーム。残り2枠をルクレールとサインツJr.が占めた。Q3最初のタイム計測ではレーシングブルズ勢を除く8台がミディアムタイヤ。その中でも新品、ユーズドで選択が別れた。

 ただ一度荒れると、とことん荒れるのがここバクー。路面温度が25度まで低下し再びポツポツと雨粒が落ち始める中で、ルクレールがターン15で止まりきれずにクラッシュ……5度目の赤旗中断となり、アゼルバイジャンGPでの連続ポールポジション獲得記録が4年であっけなく途絶えた。

 マシン回収とコース修復が終了してセッションが再開された時点で、残り時間は7分。この時点でタイムを計測していたのは3名のみであり、1分41秒595というタイムでレーシングブルズ勢を上回り暫定トップに立っていたサインツJr.は雨脚が強まることを願った。

 サインツJr.の願いは届かず、赤旗中断中に上空の雲は去り、西日がサーキットを照らした。しかしQ3再開直後、ターン3でピアストリがウォールの餌食に。この予選で計6回目の赤旗中断となった。いずれのマシンもラップを完了できなかったため、この時点でもサインツJr.が暫定トップだった。

 ポールポジション候補2名が姿を消す中、Q3は残り3分41秒で再開。サインツJr.とメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリ以外の6台がソフトタイヤを選んだ。うち新品を使用したのはフェルスタッペンだけだった。

 多少の雨粒が確認される中、ノリスが隊列の先頭で最後のタイム計測を実施したが、サインツJr.のタイムには届かず……その他のドライバーも更新できないかとも思われたが、隊列の後方でアタックを行なったフェルスタッペンが1分41秒117を叩き出してポールポジションを獲得。サインツJr.はQ3最初に記録した持ちタイムで2番手フロントロウを守りきった。

 レーシングブルズのリアム・ローソンが殊勝の3番手。4〜5番手にメルセデス勢が並び、角田はフェルスタッペンから1.026秒差の6番手となった。この6番手という予選結果は、角田としてはレッドブル昇格後ベストである。

 ノリスはターン15のウォールに擦ってしまうなど、最終的に7番手と振るわず、8番手にレーシングブルズのアイザック・ハジャーが並んだ。

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