アストンマーティンF1チームのオーナーであるローレンス・ストロールが、チームがYouTubeに投稿した動画の中で来季に向けたメッセージを発信。ホンダのワークスパワーユニットを使う来季以降のミッションは「ワールドチャンピオンになること」だと宣言した。
ストロールは2018年の8月に、複数の投資家によるコンソーシアムを率いて、フォースインディアF1チームの資産を買収。その後チームの名称をレーシング・ポイントと変更してF1参戦を継続した。さらにその後2020年には、ストロール率いるユー・ツリー・インベストメンツ・コンソーシアムが、アストンマーティン・ラゴンダに1億8200万ポンド(約200億円)を投資し、株式の16.7%を取得。2021年からはレーシングポイントの名称をアストンマーティンF1と改称し、現在に至っている。
「チーム全体が形になりつつある。来年のルールとレギュレーションの大幅な変更を楽しみにしている」
ストロールはチームの公式YouTubeチャンネルに投稿された動画の中でそう語った。
なおアストンマーティンF1チームは、これまでいずれかの自動車メーカーのワークスチームだったことはない。チームの歴史を遡りジョーダンだった頃には、ヤマハや無限ホンダのエンジンを独占的に使っていたこともあるが、それも30年前後も昔の話だ。
今もアストンマーティンはメルセデスのワークスPUを使っているが、来季からは前述の通り、F1正式復帰を果たすホンダのワークスPUを使うことになっている。これは非常に大きな変更であり、うまくいけば躍進の大きな後押しとなることは間違いないはずだ。
「ホンダがパワーユニットのパートナーになるというのは、我々にとって大きな一歩だ。ワークスチームの一員となるのは、我々の人生において初めてだ。全く新しい経験だ」
そうストロールは語った。
「カスタマーエンジンをただ納品されるわけではなく、パワーユニットとして共に設計するのだ」
「だから、とてつもない興奮だ。私は容赦ないよ。ミッションが達成されるまで諦めない。今回のミッションは、世界チャンピオンになることだ」
アストンマーティンF1が変わるのは、ホンダのワークスパワーユニットを使うというだけではない。マネージング・テクニカル・パートナーとして、これまで数々のチャンピオンマシンを手がけてきたエイドリアン・ニューウェイが加わり、2026年用マシンの開発を率いているのだ。
「今週始めに、エンジニア数名と話をしたのだが、彼らは『エイドリアンはまさに、第一原理のエンジニアリングの持ち主だ』と言っていた」
アストンマーティンF1のアンディ・コーウェル代表は、BBCのポッドキャスト番組でそう語った。つまりニューウェイは、マシンを開発する上で根本的な部分まで分解し、そこから再構築する……という意味であろう。
「彼らを見て、『我々全員が、第一原理のエンジニアリングを重視すべきではないか?』と思った。エイドリアンは頂点を追い求めることを明確に意識させてくれる。これは全てのエンジニアにとって素晴らしい経験であり、会社全体に、記録的な速さで最高のパフォーマンスを追い求めるという考え方を浸透させている」
「この業界で最高するためには、まさにこの考え方が必要だ。実に驚くほどシンプルなのだ」
ホンダ、ニューウェイ、そして新たなファクトリー。ストロールが言う”ワールドチャンピオン”というミッションをクリアするために必要なピースが、整いつつあるように見える。

