サンアントニオ・スパーズは今季、フランチャイズ記録となる開幕5連勝の好スタートを切った。その中心にいるのは間違いなく、キャリア3年目を迎えたヴィクター・ウェンバンヤマだ。ギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)ら元NBA選手たちは、21歳の目覚ましい成長を高く評価している。
初めてフルシーズンの指揮に臨むミッチ・ジョンソンHC(ヘッドコーチ)の下で開幕を迎えたスパーズは、オープニングゲームでダラス・マーベリックス相手に125-92で大勝。その後もニューオリンズ・ペリカンズ、ブルックリン・ネッツ、トロント・ラプターズ、マイアミ・ヒートを破って5連勝を飾った。
6戦目にフェニックス・サンズに敗れて連勝は止まったものの、開幕5連勝は殿堂入り選手のティム・ダンカンらが在籍していた黄金期にも成し得なかったフランチャイズ記録。開幕5試合の平均118.2点はリーグ15位ながら、平均103.8失点は断トツだ。
そんなチームを攻守で牽引するのは、21歳のウェンバンヤマ。リーグ7位の平均30.2点、同1位の14.6リバウンドと4.80ブロック、さらに3.4アシスト、1.40スティールとオールラウンドな活躍を見せている。
元NBA選手のアリナスは、自身がホストを務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』で、ウェンバンヤマの成長を認めている。
「ジョエル・エンビードや年上の経験ある選手たちは、ルーキーイヤーのウェンバンヤマを圧倒していた。今こそ復讐の時だ。彼は開幕戦で40得点、15リバウンドをあげているんだ。自分たちのことをディフェンシブプレーヤーだと自称する連中は何をやっているんだ?」
身長224cmのウェンバンヤマが、ラプターズ戦で相手の新人コリン・マレー・ボイルズをレッグスルーとバックビハインドを織り交ぜたドリブルで抜き去ると、シェイク&ベイクの使い手として名を馳せたジャマール・クロフォード(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)はXで「マジかよ!」と感嘆。 有名作家のシェイ・セラーノもこのプレーを受けて「ヘイ、Siri!もしジャマール・クロフォードとアキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)を組み合わせたらどうなる?」と投稿して話題を呼んだ。
ニック・ヤング(元ロサンゼルス・レイカーズほか)は『Gil's Arena』で「彼はゲームを支配している。素晴らしいよ」とウェンバンヤマを称賛。
ブランドン・ジェニングス(元ミルウォーキー・バックスほか)も「あれほどのプレーを見せながら、依然としてアンセルフィッシュで、オフェンスで忍耐力があり、自分でショットクリエイトできる。攻守でテンポをコントロールできる。ブルックリン戦では3ポイントもフリースローも効果的に決めた」と続いた。
スパーズにはウェンバンヤマのほか、21歳のステフォン・キャッスル(平均18.8点)、25歳のデビン・ヴァッセル(平均16.8点)、19歳の新人ディラン・ハーパー(平均14.4点)、26歳のケルドン・ジョンソン(平均11.8点)、33歳のハリソン・バーンズ(平均9.2点)と、若手と中堅、ベテランがバランス良く揃う。ラシャド・マキャンツ(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)は、昨季34勝だったスパーズの優勝の可能性についても触れている。
「彼(ウェンバンヤマ)は素晴らしい指導を受けた。プロ入り2年間は多くの3ポイントを打ったが、よりゲームを理解して、ゴール近くでも効果的にプレーしている。今はワンドリブル、2ドリブルで得点できる。
今のサンアントニオは優勝を狙えるタイプのチームだ。彼はリーダーシップもある。ヤニス(アデトクンボ/バックス)は『もしジャンパーがあれば』と言われたが、彼にはそれ(広いシュートレンジ)があるんだ」
昨季は右肩の深部静脈血栓症で後半戦を棒に振ったが、完全復活を印象づけているウェンバンヤマ。この勢いをシーズンを通してどこまでキープできるか注目だ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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