・首を痛めているようです
その場にいた全員が思った……「お前のせいだろ」と。真面目なのか天然なのか、博士キャラ炸裂の瞬間だった。いや、でも一番動揺していたのは保坂さん本人だっただろう。
幸い、老夫婦は軽傷で済み、「本当にありがとう」と何度も頭を下げていた。私たちは安堵し、その場で記念撮影を1枚。別れ際、老夫婦が財布を取り出し「命の恩人です」とお金をスッと差し出してきた。
「いや、当たり前のことをしたまでです」「お金は受け取れません」と何度も断ったが「受け取ってください」と押し切られた。金額は覚えていないが5000円か1万円だったと思う。
結局、そのお金で念願の馬肉を食べた。人に笑顔を与えるのがサーカスの仕事だが、この日ばかりは人を助けて笑顔をいただいた。
馬肉の味はもう忘れてしまったけれど、あの緊迫感と笑顔は今でも鮮明に覚えている。旅先でのハプニングも、振り返ればすべてサーカスの一部だった。
・立川公演は11月15日から
──というわけで、今回はここまで。木下サーカスは名古屋から東京に場所を移し、11月15日から「立川公演」が始まる。この機会に100年以上受け継がれてきた “本物のサーカス” をその目で確かめてほしい。それではまた!
