
北条司原作の伝説的作品「キャッツ・アイ」の完全新作アニメの第6話「できることならこのままで」が10月31日に配信された。第6話は、キャッツアイの3人が華麗に美術品を盗み出す活躍よりも、瞳(CV:小松未可子)と俊夫(CV:佐藤拓也)の関係に重きを置いたエピソードで、俊夫の本心がうかがえる重要回となった。(以下、ネタバレを含みます)
■俊夫が“キャッツアイの瞳”を追い詰める
「キャッツ・アイ」は1981年から1984年まで「週刊少年ジャンプ」で連載された北条司の連載デビュー作で、1983年にテレビアニメ化されて大ヒットを記録。今作では原作へのリスペクトを感じさせながらも“令和”の時代にアップデートされている部分も多く、原作ファンや1980年代に放送されていた旧アニメのファンだけでなく、若い層からも注目を集めている。
長女・泪(CV:小清水亜美)、次女・瞳、三女・愛(CV:花守ゆみり)の来生三姉妹は、昼は喫茶店「CAT’S EYE」を営み、夜は美術品を盗む“怪盗”という2つの顔を持っている。3人が狙うのは父親がかつて収集していたコレクションと父親が描いた絵画。それらを集めることによって、行方不明になっている父親の手がかりが見つかるのではないかと思っている。それと、“キャッツアイ”と名乗って予告して派手に盗むことで、自分たちの存在を父親に気付いてもらいたいという思いも込められている。
犬鳴警察署の刑事である俊夫は、“キャッツアイ”を捕まえるため、日々奔走していた。恋人の瞳がキャッツアイだとは夢にも思わず、捕まえたらプロポーズしようと考えている。しかし、俊夫がキャッツアイを捕まえ、その正体が分かると瞳との関係も終わってしまうという大きな矛盾があり、瞳も俊夫からのプロポーズを待ち望んでいるが、それは難しいことだと分かっている。
キャッツアイを目前で取り逃がしてばかりの俊夫だが、だからこそ捕まえるために必死。そのため昼夜を問わず働いており、昼休みに喫茶店「CAT’S EYE」に来てもつい疲れて居眠りをしてしまっている。瞳が起こしてあげようと声をかけたとき、俊夫の口から出たのは「浅谷くん」だった。優秀な女性刑事・浅谷光子(CV:日笠陽子)は、俊夫のバディとして常に行動を共にしている。浅谷が犬鳴警察署にやってきてからは、瞳といるよりも長い時間、浅谷といるので寝言で名前が出てしまうのも仕方ない。
だが、恋人の瞳は“仕方ない”などと思えるはずがなかった。昼休みに「CAT’S EYE」に来てくれているとはいえ、居眠りしていたりするし、それ以外の予定も合わず、2人で過ごす時間がなかなか作れないというのが最近の状況だからだ。
瞳は「しばらく距離を置いたほうが」というメッセージを俊夫に送ろうとするが、やっぱりそれは寂しいので送ることはできない。泪と愛と作戦を練っているときも、心ここにあらずという感じで、話に集中できないほど。そういう状況ではあるが、美術品を盗むことは予定通り行われた。
■執念のバイクチェイス…一緒に穴の中へ
現場に乗り込んで絵画を盗むのは瞳の役割。変装して潜入するが、浅谷の鋭い観察眼もあって危険な状態に。それでも“ライバル”の浅谷だけには捕まるわけにいかない、という瞳の強い気持ちが勝ち、どうにか盗み、施設を脱出することができた。そのままバイクに乗って逃走しようとすると、キャッツアイを捕まえることに命を懸けている俊夫がバイクで追い掛けてきた。まさに俊夫の執念。あと少し、というところで瞳の乗ったバイクの前に障害物があり、瞳の体が宙に浮く。それを助けようとして俊夫も続いた。
2人が転落した場所は“穴の中”だった。よじ登るには高過ぎる場所で、瞳は右足を痛めてしまって満足に動けない。狭い場所に俊夫と2人きり。俊夫に正体がバレるのも時間の問題と思われたが、俊夫は落下した影響で視力を失ってしまい、そばにキャッツアイがいることは分かっているが、その正体が瞳であることはバレずに済んだ。
キャッツアイとしてはピンチの状況が続くわけだが、ここからの展開、瞳としてはうれしいことが続いていく。目が見えない俊夫の代わりにスマホの操作をしようとすると、パスワードが瞳の誕生日「1116」だと知らされた。「恋人の誕生日なんだ」と、話している相手がその恋人=瞳とは知らずにうれしそうに話す俊夫。待ち受け画面も瞳の写真。
声を出すとバレるため、瞳が俊夫の手に「優しそうな人ね」と指で書いて伝えると「優しいだけじゃない。俺にはもったいないほどの美人だよ」という“のろけ”まで飛び出す。怒ると怖いけど、という余計な一言もあったりしたが、それでも瞳にとって知らなかったことが知れてうれしかったはず。
「瞳の顔、もう見られないのかな」としょげたり、寝ぼけて違う人の名前を呼んでしまったこと、デートどころか会うこともなかなかできてないことなど、正体は分からないけど追い続けているライバル“キャッツアイ”だからこそ秘密を打ち明けることができたのだろう。「本当に大切な存在なんだ」という、うれしい言葉も。普段から正直に瞳に言えばいいのにとも思うが、素直に言えないのも俊夫らしいところで、彼の良さでもあるのかも知れない。
瞳のGPSが途切れたことで、心配した泪と愛が瞳を探しに来て、2人は無事に穴から脱出することができた。俊夫にとってはキャッツアイを捕まえる大きなチャンスだが、目が見えない上に、命を助けてもらったという借りができてしまったので、今回は「行けよ」と3人を見逃してあげることに。俊夫が視力を失ったのは一時的なものだったようで、日を改め「CAT’S EYE」を訪れて、今度はちゃんと瞳に謝ることができた。
今回のエピソードは、原作の第19話をベースにした内容で、俊夫との関係性で悩む瞳が、アクシデントが発生したことで思わず俊夫の本心が聞けたという、「キャッツ・アイ」ファンにも人気のストーリー。配信後には、SNSに「お似合いのカップル!」「俊夫と瞳の関係がもどかしかったけど、涙が」「好きだから嫉妬したり不安になる気持ち、分かる!」「ほっこりした」といった声が上がっている。
そして、これで“令和版キャッツ・アイ”の前編(第1~6話)が終了。後編の第7話から第12話は12月26日(金)から2026年1月30日(金)まで毎週金曜に1話ずつ順次ディズニープラスのスターで独占配信される。瞳と俊夫の関係が修復、いや、これまで以上に絆が深くなったことで、刑事としての俊夫とキャッツの関係もさらに面白くなりそうだ。
◆文=田中隆信
※記事内、作品名の「キャッツ・アイ」の「・」はハートマークが正式表記

