古くなった家を壊すのではなく、もう一度生かすという選択が、少しずつ広がっています。
全国各地で増え続ける空き家は、景観や防犯の面で課題とされる一方で、「再生」という視点で見れば、地域に新しい価値を生み出す存在にもなります。
そんな再生の現場に向き合っているのが、一般社団法人 全国古家再生推進協議会です。
放置された空き家や古民家をリフォームによってよみがえらせ、再び人が暮らせる場所に変えていく。同協議会はこれまでに2,400軒を超える再生実績を持ち、各地で“まちを守る再生まちづくり”を広げています。
その活動の一環として、11月15日(土)には静岡県の磐田・掛川エリア、群馬県の高崎・前橋エリアで「空き家・古家物件見学ツアー」が同時開催されます。
実際の物件を見学しながら、古家再生の可能性を学ぶ体験型イベントで、地域を舞台にした“再生のリアル”を感じられる貴重な機会です。
暮らし方や価値観が変わる今、古いものを生かすという発想が、新しい時代のライフスタイルを照らしているのかもしれません。
再生まちづくりの現場を知る

空き家や古民家を「壊す」のではなく「生かす」。
そんな考え方を全国に広げているのが、一般社団法人 全国古家再生推進協議会です。大阪府東大阪市に本部を置くこの団体は、これまでに2,400軒を超える古家を再生し、地域の活性化に貢献してきました。
活動の原点にあるのは、増え続ける空き家が抱える社会的な課題です。
誰も住まなくなった住宅は、時間とともに老朽化し、防犯や景観の面で地域の負担になることがあります。協議会では、そうした建物を価値ある資産としてよみがえらせることで、まちに再び人の流れを生み出し、地域のつながりを取り戻そうとしています。
その仕組みはとても実践的です。
再生が必要な物件の調査から、リフォーム・リノベーションの提案、専門業者や借り主の紹介までを一貫してサポート。地主や大家、工務店など関わる人々に収益を生む仕組みをつくり、無理なく続けられる“再生まちづくり”を推進しています。
新しい家を建てるのではなく、そこにあるものを見直し、次の世代につないでいく。
古家の再生は、単なる不動産ビジネスではなく、地域の未来を支える社会活動のひとつとして広がりつつあります。
空き家・古家物件見学ツアーとは

古家再生を学ぶきっかけとして注目されているのが、「空き家・古家物件見学ツアー」です。
これは、全国古家再生推進協議会が認定する“古家再生士”が講師となり、実際の空き家を見学しながら再生のポイントを学ぶ体験型のイベントです。
参加者は、築年数の経った住宅を訪れながら、「どんな家が再生に向いているのか」「どのように価値を高められるのか」といった実例を知ることができます。図面や資料では見えにくい、建物の状態や地域の空気感を感じ取れるのも、このツアーならではの魅力です。

対象は、同協議会が認定する「古家再生投資プランナー」資格者が中心ですが、定員に余裕がある場合は一般の方も参加できます。投資の専門家でなくても、空き家再生に興味のある人にとって、現場で学べる貴重な機会となっています。
単なる勉強会ではなく、現地を訪れることで「古家の持つ可能性」を自分の目で確かめられるこのツアー。
全国で少しずつ開催エリアを広げながら、古家再生の輪を広げる取り組みとして注目を集めています。
