・2回目の電話
3日後。
次に電話口の向こうにいたのは同じ警察署のBという刑事。声の感じからするとA氏よりは若いようだ。
財布を引き取りに行く日を決めつつ、財布の中にあったカードや身分証明書について、1枚1枚口頭で確認される。
B氏「残念ながら現金はありませんでした。Aから説明があったと思いますが、このお宅の方は亡くなっています。
……それで、犯人を訴えますか?」
──え?
私はそんな考えが1つも無かったことを伝え「ちなみに訴えられるものなんですかね?」と質問した。
すると「手続きはややこしくなりますが、可能は可能です」との回答。
私はそのつもりが無いことを伝え、最も気になっていることを質問した。
「ちなみにその方は、自殺なんでしょうか? それとも事件性があるのでしょうか?」──。
ただB氏は「それも含めて現在捜査中です」と、意外と素気ない答え。
引き取りに必要な印鑑等の説明を受け、電話は終わった。
・マジか
この日は会社にいたため、すぐさまこれまでに起きたことを社内のメンバーに共有。
「財布が見つかった家の人が亡くなっている」という事実にみな驚いたようであったが、私が驚いたのはその後の発言だ。
「というか、それってパクさんが容疑者なんじゃないですか?」
──は?
私はただ財布を失くしただけであったが、状況を考えればそうか。私が容疑者である可能性も否定できないのか。
もちろん身に覚えはないものの、何となくドキドキしてしまうのが人間の性(さが)なのであろう。
