皆さんは、営業という仕事にどのようなイメージを持っていますか?「ノルマが厳しそう」「残業が多そう」といった声が多く聞こえてきそうです。しかし、そのような漠然としたイメージだけでキャリアの選択肢から外してしまうのは、もったいないかもしれません。
今回は営業転職のプロフェッショナルである、株式会社セレブリックス キャリア&リクルーティング事業本部 部長代理の梅田翔五さんに、営業職にまつわる疑問をとことんぶつけてきました。前編では、営業職のリアルな姿や仕事の魅力、そしてキャリアの可能性について詳しく聞きました。
楽しい仕事か苦しい仕事か?二極化する営業のイメージは“本人の成果”次第
——梅田さんは、現職を含めてこれまで5社をご経験されています。ファーストキャリアに製薬会社の営業職を選んだのはなぜですか?
私の父が大手メーカーの営業職で、その中でもトップセールスとして活躍した人なので、営業という仕事を小さい頃から身近に感じていたんです。私には兄がいるのですが、幼い頃から私のほうが父に似ていると言われてきたので、「父が営業で成功したなら、自分にもできるだろう」という思いから、新卒で営業職を選びました。
私が就職活動をした2009年は、2008年のリーマンショック後で、世間には不況のムードが漂っていました。しかし、医薬品はいわばインフラであるため、製薬業界は景気の影響をほとんど受けておらず業績が非常に良かったです。製薬業界の営業職の平均年収が全業界の中で最も高いということも後で知りました。また、私はブレイクダンスを長く続けていて自分の体と向き合ってきた経験があったので、体のことを勉強する医薬品の営業であれば興味を持てるかもと思ったことも、製薬会社を選んだ理由のひとつです。
——営業職は「キツそう」といったネガティブイメージを持たれがちな仕事かと思いますが、実際のところはどうなのかを知りたいです。
営業職は、良い評判と悪い評判が極端な仕事だと思っています。お客様に貢献できる営業は、お客様からも感謝され、社内でも成果を評価され、給料や役職も上がっていき……と、あらゆる面で満たされる状態になります。
一方で成果が苦しい営業は、お客様に断られたり、社内から数字への言及があったり、給料が上がりにくかったりして、負のスパイラルに陥りやすいという側面があります。成果が出ないと自信を失いやすい仕事でもあるので、決して誰にでもできるとか、誰にとっても良い仕事とは言い切れない部分はありますが、非常にやりがいのある仕事です。
私は営業職は、スポーツにかなり近いと思っています。私がやっていたブレイクダンスのバトルは、“Winner takes all”(勝者がすべてを手にする)という世界で、営業職もそれに近い部分があります。成果が出ている人は「良い仕事だ」と言い、苦戦している人は「苦しい」と言います。営業職が体育会系のイメージを持たれやすいのは、その文化がスポーツ寄りだからではないかと考えています。
私は誰の役に立っている?営業職は“自分だからこそ”の貢献実感を強く得られる仕事
——厳しい面もある一方で、成果が伴えば喜びも大きいお仕事なんですね。営業職の魅力について、もう少し詳しく聞かせてください。
営業職は「誰かの役に立っている」という、貢献実感を強く得られる仕事です。顧客に価値を提供し、その対価としてお金をいただくというビジネスの最前線に立つからこそ、自身の仕事がダイレクトに成果に繋がり、感謝される喜びを感じられます。
一般的に、誰に貢献しているかが見えづらく「自分は誰の役に立っているのだろう」「この仕事は誰でもいいんじゃないか」という感覚に陥ってしまう仕事は、やりがいが薄れやすい傾向にあります。しかし営業職は、人と人とのコミュニケーションであり「このお客様は自分だから相性が良く、契約につながった」ということが起こりやすく、“自分だからこそ”という実感を得られる仕事です。
顧客とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、成果を出すことで、大きな達成感と自信を得られる——それが営業職の大きな魅力といえるでしょう。
——梅田さんから見て、どのような人が営業職に向いていると思いますか?
営業職というくくりは非常に広いので、どの営業をやるかによって適性は異なりますが……広く説明するのであれば、人においしいお店や良い商品をついおすすめしたくなるような、少し「お節介な人」は比較的向いているのではないでしょうか。
あとは、誕生日パーティーやサプライズなどを企画し「この人は喜ぶだろうな」と想像しながら最後までやり切ることは、営業の仕事に近い部分がありますね。ある意味、これは人のためになるという「思い込みの強さ」は、営業職に大事な要素かもしれません。相手のニーズを先回りして考え、期待を超える提案ができる人は、営業職で活躍できる可能性が高いと思います。
