アメリカのカリフォルニア州ラキンタで暮らすドーベルマンの「ディーゼル」は、インスタグラムで数十万のフォロワーを持つ人気犬だ。飼い主のハニーさんは新たに子猫を家族として迎え入れ、「ワサビ」と名付けた。ワサビがこの家にやってきたのは生後数週間の時だったが、ディーゼルがかいがいしくワサビの面倒をみたことで、いつしか2匹はきょうだいのように仲良しになった。
8月のある日のこと。裏庭でディーゼルとワサビ、そしてハニーさんが静かな時間を過ごしていると突然、隣家の犬が激しく吠え始めた。その瞬間、ワサビがディーゼルの前に盾となって立ちはだかり、戦闘態勢に突入。その姿はまるで「私があなたを守るわよ」(ワサビは雌)といわんばかり。ハニーさんがこの微笑ましい様子を撮影し、インスタグラムに投稿したところ、驚きと称賛の声が多く寄せられ、60万件の「いいね」がついた。
ドーベルマンは軍用犬や警察犬として知られる、屈強で賢い犬。キジトラ猫のワサビは、体重がドーベルマンの10分の1にも満たない子猫だ。そんな子猫が大型犬のボディーガードをする姿は、CNNニュースで取り上げられた。
とはいえ、子猫が犬を守るため、相手に襲いかかることなどあるのだろうか。
獣医師によれば、猫と犬でも相性さえよければ簡単に仲良くなることができ、場合によっては人間以上に強い絆が生まれるという。
「犬は群れで行動することを好み、飼い主に従順です。一方、猫は単独行動を好み、常にマイペース。干渉されることを嫌います。なので、犬と猫が仲良くなれるかどうかは相性と同時に、犬や猫の年齢や飼うタイミングが重要になります」
今回は先住犬がいる家へ、子猫が新たな家族として加わったケースだが、犬でも猫でも、自分の大切なテリトリーに知らない人や動物が入ってくると、ストレスを抱えるもの。成犬がいる家に成猫を入れた場合、対立するケースは多いのだとか。
「その点、このケースは成犬がいる家に加わったのが子猫だったことで、慣れるのに時間がかからなかった。さらにお互いの相性が抜群だったため、犬と猫とという動物の垣根を超え、絆が深まったのではないかと考えられます」(前出・獣医師)
犬と猫を飼う場合は、子犬と子猫のうちに同時に飼い始めるのがベストだが、カギとなるのが相性だ。ディーゼルとワサビは相性がピッタリだった。ディーゼルのフォロワーは「最強コンビ」との、次なるエピソードを待ち望んでいるという。
(灯倫太郎)

