
ジュニア時代から共に活動する機会の多かった同い年の4人により2011年に結成。STARTO ENTERTAINMENT所属ながら未だCDデビューを果たしていないが、事務所の先輩たちからは厚い信頼を得、4人や個人での舞台出演はひっきりなしという異色グループ・ふぉ〜ゆ〜。そんな彼らにとって動員数過去最多となる今回のツアー「4U. LIVE TOUR 2025 39×4=イイコロ」は、全国5会場11公演。8月30日に大阪・オリックス劇場からスタートし、東京・立川、神戸を経て、4箇所目となるLINE CUBE SHIBUYAでの10月29日の公演をリポート。
■ロックチューンで幕開け!全力で盛り上げる
今回のツアータイトルは、「サンキュー」と、今年、全員が39歳を迎えるということをかけてのもの。かつて先輩・二宮和也が、ふぉ〜ゆ〜を「事務所が公式に推さないグループ」と紹介したことがある。親しみを込めた毒舌はとても二宮らしいが、逆を返せば、今の彼らの活躍ぶりは、誰の力でもなくすべて彼らが自らの力で掴んできたものであり、そのことに対する称賛にも取れる。4人のここまでの地道な歩みと確かな実力、積み重ねてきた信頼と実績、そしてそれぞれの誠実かつチャーミングなキャラクターが、多くの人をとらえて離さない。まさにそれを証明して見せたライブだった。
オープニングは、彼らの単独YouTubeチャンネルで購入した車・ふぉゆ号に乗った4人の映像から。衣装に身を包み、クールな表情を見せる彼らの姿に会場から歓声が上がる。到着した先はライブ会場。バックステージが映し出され、これからまさに本番を迎えようとしている彼らの様子が映し出される。ライブ感のある演出に登場前から期待感が高まる。
ステージに現れた4人はサングラス姿。松崎祐介が「調子はどうだ?」と声を挙げると、1曲目の「Rock the Show」へ。キャッチーなロックチューンと、す〜ぱ〜イイコロBAND4による生演奏に煽られるように、客席のペンライトの波にも熱がこもる。ステージ上に設えられたお立ち台に上がり、2階席、3階席にも目線を向け煽りながら、力一杯に歌い上げてゆく4人の姿には、ステージに立てることへの喜びが全身にあふれていた。
辰巳雄大が作詞を手がけた「ダメモト」、彼らの代表曲のひとつともいえる「大丈夫さ」と、テンポのいい楽曲でスタートダッシュを図ると、「みんな会いたかったぞ」と辰巳雄大が煽り、続く福田悠太は、「ひとり残らず大好きだー!」と会場を沸かせる。いつもの「いらっしゃいませー!」で挨拶した越岡裕貴は「最後までよろしく」と声を上げ、松崎が「トゥクストゥールー!」のコール&レスポンスで盛り上げる。
■コール&レスポンスで盛り上がる約9分の大ナンバー
「白い幕が降りている間は、ペンライトを消してお楽しみください」とアナウンスされ始まったコーナーでは、「TOKYO LOVER」にのせ、紗幕に映し出された東京の夜景の奥に、ステージ上で歌うメンバーが浮かび上がるというエモーショナルな演出が。先ほどまでとは一転した大人のムードに酔いしれる。
洒落た雰囲気でしっとりと魅せた後は、ファンお待ちかねの「コール&レスポンス 4U.」で再び熱狂の渦に。約9分にも及ぶこの楽曲は、タイトルの通り、ふぉ〜ゆ〜4人と会場とのコール&レスポンスで完成される大作。ふぉ〜ゆ〜が「ふぉ〜!」とコールすれば、客席は「ゆ〜!」と返し、彼らが「俺らがコールしたら」と歌えば、客席から「なになに?」と合いの手が入る。「ふぉ〜ゆ〜担当、キャーって言え」の歌詞に「キャー!」と返しつつも、「なにわ(男子)担当、キャーって言え」の歌詞に、さらなる大きな「キャー!」で返すなどの〝お約束〟も完璧で、もはや阿吽の呼吸。おともだち(ふぉ〜ゆ〜のファンネーム)と関係性のよさが凝縮された楽曲に、会場は一体感に包まれる。
■MCタイムは居酒屋セットで飲み会⁉
MCタイムには、ステージ上に居酒屋のセットが登場。これまでにもお風呂やピクニックなど、毎回彼ららしいシチュエーションが設けられていたが、これまで以上にくつろいだ雰囲気で、まるで彼らのプライベートな時間を覗き見しているような感覚に。よく見ると、店内には、今回のグッズ用に制作されたお酒の広告風ポスターや、グッズにグラスを紹介するポスターが貼られているなど、細かいところにまで心憎い気配りが。
お酒ならぬ、福田曰く「チンカチンカのずーみー(カチンカチンに冷えた水)」で乾杯すると、話題は自然と4人での飲み会の話題に。どんなに騒がしい店内でも、越岡の声でならオーダーが通るというエピソードが披露された。実演することになり「みなさん、ガヤガヤしてもらって」の声がかかると、客席は申し合わせたかのように「ガヤガヤ」「ガヤガヤ」の大合唱で、つんざくような越岡のハイトーンボイスもかき消されかけたほど。
トーク中には今回のツアーグッズの紹介もあり、まずは、グラスのネーミングが話題に。他のメンバーが、ツアータイトルに絡めた名前を提案する中、松崎が「グラシアスなグラス」を提案し、「みんなそれが頭から離れなくなっちゃって」(辰巳)と採用に。松崎は他にも、ペンライトのデザインにもこだわりを見せたそう。今回、ふぉ〜ゆ〜ではお馴染みとなっている掛け声「サンキュー、サンキューです」のときの人差し指と中指の2本を立てた形になっているが、アイデアは当初の通りながら、人差し指より中指を少し長くしたいと力説したと暴露されていた。「魔貫光殺法(ドラゴンボールに登場する必殺技名)ではないですよ?」「囲碁将棋部でもないですよ?」と福田がボケを挟みつつも、「みんなが振るたび、サンキューサンキューです、ってやってくれていることになる」(辰巳)、「振れば振るほど、ありがとうで溢れていくんです」(福田)と、彼ららしい平和な想いも吐露された。
また、今年全員が39歳になり、来年には結成15周年を迎えることにも言及。「イチゴ(15)ちゃんになる」と福田が言えば、「じゃあイチゴの被り物で出る?」と松崎が独特のセンスを発揮。辰巳からは「いよいよここからみんなと一緒に、いろんな楽しみ方をしていきたいよね」という、来年への期待を感じさせる言葉も。

■椎名林檎にタキ翼、屋良朝幸の振り付け曲も
今やすっかりライブの定番になった他己プロデュースのコーナーは、越岡プロデュースによる辰巳ソロからスタート。和の世界観で披露されたのは、椎名林檎作詞作曲のtimeleszの楽曲「本音と建前」。かねてより椎名林檎ファンを公言する辰巳の想いも叶えつつ、妖艶でセクシーな世界観を披露。続く松崎プロデュースの越岡ソロは、ナチュラルな雰囲気で歌う北山宏光の「FORM」。越岡の声が楽曲とマッチし、甘いテイストに仕上がった。松崎ソロは、辰巳プロデュースによる「PIKA☆NCHI」。バチバチにカッコいいロックテイストで、途中からギターを持った辰巳自身も登場し盛り上げる。残るは福田ソロだが、一体誰がプロデュースするのか…と思えば、なんと映像に映し出されたのは、ルパン三世風の扮装をした辰巳ことタツパン三世。続いて下半身が馬の越岡扮するウマ王国王子に、某有名SF映画の金色ロボット風扮装をした松崎ならぬSDG-2という、過去い福田プロデュースで誕生したキャラクターたちが集合。3人でプロデュースしたのは、タッキー&翼の「リアルDX」だ。頭と上半身はSDG-2、下半身はウマ王子、そしてタツパン三世のモミアゲと手にピストルという、これまでの世界観をミックスした福田の姿に、会場は笑いと混乱の渦に。
忍び笑いとザワつきが止まらないカオスな空気の中、続く映像に登場したのは、なんと屋良朝幸。少し前にYouTubeで共演を果たしたが、その中で4人から振り付けの依頼を受けたという。「一番踊らせるナンバーを」と屋良が用意したのは、嵐の「P・A・R・A・D・O・X」。複雑かつフォーメーションチェンジの多い屋良の振り付けだが、シルバーの衣装に身を包んだ4人はクールにカッコよくキメ、実力派グループとしての真価を見せつけた。
■オリジナル楽曲群で熱狂は最高潮に
ライブの終盤は、「S.O.D.A」「Scandalous」「Haunted House」「ミッドナイトダンサー」「PANIC」と、怒涛のオリジナル曲連打。ボルテージが上がりきったところで、新曲「星屑の譜ーウター」が披露された。「みんなとこうして楽しめる時間があるって、本当に、僕らここまで一緒に歩んできた答えがここにあるって感じています」との辰巳の言葉と、新曲の歌詞とが重なり胸に迫った。
怒涛のふぉ〜ゆ〜コールの中で始まったアンコールでは、ステージ上の隅から隅までを縦横無尽に駆け回り、ファンの歓声に応えていた4人。ラストに歌われた「どしゃぶりヒーロー…Always ふぉ~ゆ~」ではないが、つねにファンを喜ばせたいという想いが全面にあふれる。彼らが歩んできた道は、けっして平坦ではなかったが、諦めることなく、くさることなく、つねに真摯にひたむきにやってきたからこその、観客の熱狂が確かにそこにあった。

取材・文=望月リサ

