ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会の開会式まで128日となった10月28日、TEAM JAPANの公式ウエアが発表された。今大会もオリンピック・パラリンピック同一デザインで、オリンピック出場を目指す選手たちとともに、パラリンピック日本代表に内定しているアルペンスキー・鈴木猛史とクロスカントリースキー・森宏明もウエアを着て登壇。袖を通すことで湧き上がってきた思いも語った。
記者会見に登壇した、森重航(スピードスケート)、浮田留衣、細山田茜(以上、アイスホッケー)、パラリンピアンの森と鈴木TEAM JAPANの一体感を表現
TEAM JAPANゴールドパートナーのアシックスが制作した公式ウエアが発表された。主に移動や表彰式などで着用するスポーツウエア、ビーニー、シューズ、バッグなど全14アイテムが提供される。
パリオリンピックで日本代表選手団の旗手を務めた江村記者発表会には、ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会の日本代表内定選手やオリンピックの出場を目指す選手らとともに、スペシャルゲストとして、パリ2024大会メダリストの江村美咲(フェンシング)と、宮食行次(ゴールボール)も登壇。夏・冬の選手たちが一堂に会したのだが、これには理由がある。
今大会のウエアには、「つなげよう、情熱を。」というテーマが掲げられている。パリ2024大会の感動や熱狂、情熱、そして絆をミラノ・コルティナ2026冬季大会へつなげようとの意図が込められているとのこと。そのため、TEAM JAPANとして夏冬の一体感を感じさせる工夫が施されているのだ。
ウエアの中で夏季大会との「つながり」が最もわかりやすく表現されているのが、キーカラーだ。パリ2024大会のウエアにも用いられていた「TEAM JAPAN RED」と「サンライズレッド」のグランデーションを採用。今大会のオフィスシャルウエアと同じデザインの応援Tシャツを着用して登場した江村と宮食は、パリ大会を思い出す、と声をそろえる。
「冬季と夏季が同じカラーのウエアを着用することで、改めてひとつのチームと感じました。夏冬一体のワンチームとして、私もともに戦ってる気持ちで全力で応援したい」と江村。

パリを思い出すという宮食
宮食は、「改めてすごく闘志が湧く色だなと思います。皆さんもこの色を着てアドレナリン全開で戦っていただけるんじゃないでしょうか。僕は視覚障がいがありますが、この色は目立つので、(応援Tシャツや公式ウエアを着ている人たちが集まっている)観客席を見て、あそこは日本ゾーンだなとわかりました」と、パリ大会を振り返り、色の効用を語った。
公式ウエアのメインアイテムであるアウトドア用ジャケットには、このキーカラーをベースに、日本の伝統的な模様の一つである流水文様がモチーフの「RYUSUI」のグラフィックが施されている。また、インドア用ジャケットには、開催地の民族衣装に使われる「チロルテープ」にインスパイアされて作られた「RYUSUI」グラフィックテープを使用。開催地と日本選手を「つなげる」とともに、ミラノ・コルティナへ「つながる」道を表現しているそうだ。
今後、このチロルテープを使ったチャームづくりが応援イベントとして行われる予定という。江村と宮食は用意してきた応援メッセージとともに、江村はスピードスケート・森重に、宮食は森にそれぞれチャームを手渡した。
宮食から森へチャームとメッセージが贈られた極寒の地でのコンディショニングにも配慮
もちろん機能面でも、随所に工夫が施されている。アシックスのアパレル・エクィップメント統括部開発部・大堀亮マネージャーによると、オリンピックとパラリンピックの選手が全く同じものを着用できるよう、ユニバーサルデザインを採用。そのうえで、車いすアスリート向けにアームカバーを追加することで多様性に対応したと語った。
アシックスの大堀マネージャー(左)がウエアの込められた思いや特徴を説明車いすユーザーの鈴木は、便利さを評価する。
「こういった公式のウエアは、汚しちゃいけないというプレッシャーがあるので、袖をすごく気にしながら慎重に移動します。でも、アームカバーがあると急いで選手村の食堂に行けるな、と(笑)」
また、コンディショニングにも留意されている。山岳地帯のような極寒の地で屋内外を行き来する場合、衣服内の温度管理が難しく、場合によっては不快に感じてコンディショニングに影響する場合もあるかもしれない。その点、メインアイテムであるアウトドア用のジャケットは、アシックススポーツ工学研究所の「アシックスボディサーモマッピング」に基づき、発汗部位などに応じて素材やレイアウトを変えることで、効率的に温めると、同時に温度が上がり過ぎないよう設計。インドア用ジャケットも、屋内外の寒暖差が激しい中でも快適に過ごせるよう、過去大会のものより生地を厚くしながら通気性も高めた。
さらに、サステナビリティにも配慮。例えば、シューズは、パリ大会が行われた2024年に発売した約70足分のシューズを回収して作られたリサイクル素材が使われている。また、ジャケットのファスナーの引き手も、廃材を利用してつくられている。
