ジャスティン・ビーバーにネタを届ける!
終演後の囲み会見に登壇したのは、これまでにない斬新なステージをやり終えた3組と、この公演のMCと、言葉のニュアンスやリズムの監修を務めたチャド。
実はチャドは、英語字幕版公演の第一人者。今回の公演について、目を輝かせて語ります。
「今回は、最新AIを使った吹き替え版をできたことが素晴らしかった。新しい時代がやってきました。お笑いの夜明けが来てワクワクしています。このために僕はNSC(吉本総合芸能学院)に入ったのかなと思えるくらいうれしい」
ネタを披露した谷口は、吹き替え版が衝撃的だったと語ります。
「僕らの漫才は日本語のダジャレが多いんで、そこはAIとチャドさんにニュアンスを組み取っていただいて、そのおかげでかなり伝えることができたと思います」

一方で、この日の外国人のお客さんの反応をリアルに見て、「メロディや元気さ、クレイジーさは(言葉がわからなくても)通じるんだなというのを知ることができてよかった」との感触も。フースーヤのネタでよく登場する「よいしょ!」は、今回のAI翻訳で「way to go」と訳され、「これはいい成果が出た」と満足そうです。
田中は「『チャーハン、チャーハン』のギャグは以前、YouTubeで海外に向けていろんな国の言葉で作ったことがあるんです」と明かします。実は、ジャスティン・ビーバーに届けたくて英語のネタを作った時期もあったとのこと。
「昔から海外は視野に入れてたんですけど、今日でボヤけていた視野がはっきりと見えた。これからは“世界のフースーヤ”になりたいと思います」

「ピクサー作品のテンポ感に似ていてびっくりした」
ロングコートダディ・兎は、こう話します。
「日本語って、僕は世界でいちばん難しい言語だと思っていて、ひらがな・カタカナ・漢字のすべてを使い分け、しかもお笑いだとそこにニュアンスも加わってくるので、絶対にAIではそんな表現はできないとナメてかかっていました。でも、見事に僕がナメられました。すごいなと思います」
特にAIの吹き替え漫才を見て衝撃を受けた様子。
「おじさん同士が話しているだけでも、英語吹き替え版になることで、ひとつの映画を観ている感じになる。自分の知ってるネタでも、より引き込まれて『おもろいな』と思えました。漫才にとって、本当に新しい道が見えてきた。素晴らしい現場に立ち合わせていただいて感謝です」

堂前も「(AIが)テンポや間もちゃんとおもしろくしてくれるのは、本当にすごいなと思います」と驚きを隠せません。そのテンポは「ピクサー作品のテンポ感に似ていてびっくりした」とも語りました。