
熟年女性キャラから熱視線? 『ハウルの動く城』場面カット (C)2004 Studio Ghibli・NDDMT
【画像】え…っ!「マジか」 こちらが「ハウル」の“童貞”を奪ったとされる熟年女性キャラです(3枚)
鈴木Pが著書で明かした裏設定
宮崎駿監督作品には『千と千尋の神隠し』の湯婆婆、『天空の城ラピュタ』のドーラなど、魅力的な熟年女性キャラが登場します。なかでも『ハウルの動く城』に登場する女性キャラとハウルとの関係には、映画本編では語られることのなかった裏設定が隠されていました。
とくに驚きの設定があるのが、美輪明宏さんの演技も相まって、圧倒的な存在感を放っていた「荒地の魔女」です。悪魔との契約により王宮を追放され、物語序盤ではソフィーに老化の呪いをかける敵役として登場します。魔力を保持していた全盛期には、豊満な体型に数多の宝石で身を飾る華麗な姿を見せていました。
物語中盤でサリマンによって魔力を剥奪された荒地の魔女は、本来の老婆の姿に戻りますが、その後もハウルへの執着を見せ続けます。劇中でハウルが「面白そうな人だなって思って僕から近付いたんだ」と語っていることから、過去に何らかの関係があったことが示唆されています。
そして、この関係について驚くべき証言が存在します。プロデューサーの鈴木敏夫氏が著書『風に吹かれて』(中央公論新社)において、「簡単に言うとハウルの童貞を奪ったのは荒地の魔女です」と明かしています。
ハウルを巡る複雑な人間関係は荒地の魔女だけに留まりません。彼の元師匠であるサリマンもまた、通常の師弟関係を超えた異常な執着を示していました。
魔法学校の校長にして王宮付きの魔法使いという地位にあるサリマンは、国内随一の権力者でありながら、元弟子のハウルに対する行動は常軌を逸しています。
最も特徴的なのは、自身の付き人全員をハウルの幼少期と同じ顔にしていることです。さらに犬のヒンを密偵として放ち、ハウルが使用する複数の偽名すべてに召集令状を発行するなど、その監視ぶりは執念を感じさせます。
ファンの間で最も衝撃的な内容として語られているのは、「戦争の真の首謀者はサリマンではないか」という説です。
作品中で描かれる隣国との戦争について、その発端は劇中では詳しく説明されませんが、一部のファンは恐るべき仮説を立てています。サリマンがハウルを自分の元に呼び戻すため、意図的に戦争を引き起こしたのではないか、というものです。
根拠として挙げられるのは、隣国の王子がカカシに変えられた呪いの存在です。もしもサリマンがこの呪いをかけ、戦争を誘発させたとすれば、「有事の際には駆けつける」という師弟間の誓いを利用してハウルを手元に置こうとした、という筋書きが成り立ちます。
この推測が事実だとすれば、単にハウルの心臓を狙う荒地の魔女の行動など、可愛らしく思えてしまうほどです。
鈴木プロデューサーが明かした荒地の魔女との過去、そして劇中で描かれるサリマンのハウルへの異常な執着心。これらを踏まえて本作を再見すると、また違った魅力が見えてくるかもしれません。
