『KING OF GATE 2025』後楽園ホール(2025年11月6日)
○望月成晃vs新橋二郎×
異色の新人・新橋が後楽園ホール初見参を果たした。“サラリーマン殺法”を連発して何度も笑いを誘うと、望月に玉砕。それでも「このまま市川さんを超えられるようなネクストお笑いゲートの顔になれるよう精進いたします」と目標を掲げた。
サラリーマン風レスラーの新橋は11・2大阪大会でデビュー。いきなりくいしんぼう仮面が保持するオープン・ザ・お笑いゲート王座に挑戦し、観客判定の結果勝利。デビュー戦でベルト戴冠という偉業を成し遂げた。
本名は非公開で、明らかになっているのは鳥取県出雲市出身ということのみ。身長や体重なども「個人情報に関することはお答えできかねます」とすべて伏せられている異色の新人がデビュー3戦目でプロレスの聖地・後楽園ホールに初登場。大先輩・望月の胸を借りた。
新橋は自分で歌っているというコミカルな入場テーマ曲に乗って入場。スーツ姿にサラリーマンらしいブリーフケースを持って花道から現れると、リングサイドの観客に名刺を配ってにこやかにあいさつする。選手コール時にはビニール傘をゴルフのドライバー代わりにして、素振りを披露。対する望月は思わず苦笑をこぼしながらリングインした。
試合前、新橋は八木レフェリーにスマホを没収されるが、「仕事の電話がかかってくるんですよ」と抗議。ゴングが鳴ると、新橋は「望月さん。私、杉原商事課長、新橋二郎と申します。よろしくお願いします」と名刺を手に深々と頭をさげた。望月が仕方なく名刺を受け取ると、新橋は「ありがとうございます。では私、これにて帰らせてもらいます」とリングを降りようとする。
望月に「お前、試合をしに来たんだろ?」と注意。「私、営業に来ました」「私はサラリーマンレスラーです」などと言い張る新橋に痺れを切らして襲いかかる。だが、新橋はスーツ姿で華麗なドロップキックを発射。「望月さん、大丈夫ですか?」と気にしつつ、手を固めてロープ渡りへ。「雨が降ってまいりました」とそのままビニール傘を差すが、望月に手を引っ張られてしまい、リングに転落した。これにはブーイングが飛ぶ。
望月は「終わりだ」と逆片エビ固めへ。新橋は悲鳴を上げるが、ビニール傘を使ってロープにエスケープした。ならばと望月は水面蹴りからサッカーボールキックを狙うが、新橋に電話が入ったため、リングアナからストップが入り、試合は中断に。新橋は「来週ですか? 予定は空いています。ゴルフに行かせていただきます」とゴルフの誘いを電話越しに承諾。「望月さん、お気になさらず、続けてください」と断りを入れてから、エプロンに座って電話をし続けるが、望月は容赦なくサッカーボールキックで蹴り飛ばした。
それでも新橋は大事な通話を継続。これに怒った望月はスマホを奪い取り、踏みつけて破壊する。これに「なんてことをしてくれたんですか! 大切な取引先なのに!」とブチ切れた新橋はスーツを脱ぎ捨て、ネクタイを投げつけると、華麗なコルバタを披露。絶叫とともにYシャツを脱ぎ捨てて、鍛え抜かれた肉体&胸毛を誇示する。「二郎」コールの中で、Yシャツを望月の顔に被せて、スクールボーイで丸め込んだ。
キックアウトされると、「大切な携帯電話。恨み晴らさせてもらいます!」とブリーフケースでの殴打を狙うが、余力を残す望月は回避。逆にブリーフケースごと新橋の顔面を蹴り飛ばして、一気に3カウントを奪った。
望月は名刺を手にリングをあとに。新橋は顔をアイシングしながらも一礼してバックステージへと消えていった。
初の後楽園大会で玉砕しながらも大きなインパクトを残した新橋は、「(後楽園ホールに)初出勤させていただきました。やっぱりお客さんの熱気、歓声、物凄くて、さすが聖地だなというふうに感じました」と感慨深げ。「取引先の方との大事なお電話。これを妨害されると今後の売り上げ、わが社の経営に大きく支障が出るので、こればっかりは勘弁してほしいなと感じます」と望月に抗議しつつ、「このまま市川さんを超えられるようなネクストお笑いゲートの顔になれるよう精進いたします」と目標を掲げていた。
【試合後の新橋】
――後楽園初出場となったが?
▼新橋「はい、初出勤させていただきました。やっぱりお客さんの熱気、歓声、物凄くて、さすが聖地だなというふうに感じました」
――営業妨害されたが大丈夫だった?
▼新橋「そうですね。取引先の方との大事なお電話。これを妨害されると今後の売り上げ、わが社の経営に大きく支障が出るので、こればっかりは勘弁してほしいなと感じます」
――デビュー戦でお笑いゲートのベルトを手にしたが?
▼新橋「そうですね。元祖お笑いゲートと言っていい、昨年引退されたこのまま市川さん。このまま市川さんを超えられるようなネクストお笑いゲートの顔になれるよう精進いたします」

