・ドリップポッドでプロの味を再現
続いて登場したのが、最新モデル「DRIP POD YOUBI」。
先日発表された「2025年度グッドデザイン賞」も受賞しており、置くだけで部屋がおしゃれになりそうな、凛とした佇まいが印象的だ。空間・プロダクトデザイナーの二俣公一さんがデザインを手がけたそうだ。
さてさて、ここからはドリップポッドブランドマネージャーの小牧さんに案内してもらい、まずは「ホンジュラス&コロンビア」の通常レシピと、プロレシピを飲み比べてみた。
プロレシピとは、専用アプリと連携してUCCに在籍するプロフェッショナルが開発した抽出レシピを再現できる仕組みのこと。
今回は、中井さんが監修された「Creamy Nuts」というプロレシピを選択。同じカプセル(豆も焙煎方法も同じ)を使っているのに、味の印象がまったく違う。
前者はキリッとした飲み口で後味すっきり。一方、プロレシピはまろやかでクリーミーなコクが広がる。こういうのめちゃくちゃ面白い!!
こうして味の違いを共有しながら話を弾ませるのも、食を通したコミュニケーションの醍醐味だと強く強く思う。
ちなみに中井さんに「レシピを考えるとき、どんなことを意識していますか?」と伺ってみたところ、「どんな人がどんなシーンで飲むかを具体的に想像している」とのこと。
コーヒーの味のバリエーションが無限にあるように、人の個性のバリエーションも無限。そこが重なり合って広がっていくのが、なんだかすごく奥深いなと思った。
続いて「水素焙煎 エチオピアイルガチェフェ地方産コーヒー」も試飲させていただいた。
コーヒーの製造過程で最もCO2を排出するのが焙煎工程だそうだが、その熱源に、燃焼してもCO2を出さない水素を使った焙煎機での量産は、なんと世界初。
今まさに話題の水素分野ということもあり、個人的にも興味津々だ。
で、気になるのは味だが、これがすごくおいしい!
フルーティーで華やか。軽やかさの中にしっかりコクがあって、個人的にはかなり好きなタイプだった。
ちなみに水素焙煎は、従来より幅広い温度帯で焙煎できるらしい。そのおかげで、焙煎中の香りや味わいの変化を細かく調整できて、より多彩な風味を引き出せるとか。
さらに、マリアージュとして提供していただいたチーズとの相性も興味深かった。
レッドチェダーと合わせると酸味が引き締まり、香ばしさがより際立つ。一方、コルビージャックと組み合わせると、まろやかな甘みがふわりと広がり、やさしい余韻が残る。
同じコーヒーでも、合わせるチーズでここまで印象が変わるなんて、マリアージュの奥深さを改めて感じた。
・コーヒーの世界は、自由で楽しい
ちなみにコーヒーを飲みながら、印象的だった話があるので最後に紹介したい。
中井さんが初めて世界の舞台に立ったのは、思いがけないハプニングを乗り越えた末のことだった。
もともと挑戦していたのはサイフォン部門。しかしファイナリスト止まりで優勝には届かず、「練習のつもりで」出場したブリュワーズ部門で、思いがけず日本一に。
迎えたアメリカでの世界大会では、なんとコーヒー器具一式を詰めたスーツケースがロストバゲージになってしまったとのこと。
普通なら心が折れてもおかしくない状況だが、そんなこともあろうかと日本に予備を用意していたという。急いで第二陣のメンバーに連絡し、必要な器具を託して現地へ……結果、見事に世界第4位の快挙を成し遂げた。
やっぱり、人生どこでどうなるかわからない。そんなことを思いながら、飲むコーヒーはいつもより、ものすごく深い味がした。
参考リンク:UCCコーヒーアカデミー
執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.
