オアシズ・大久保が緊張で「吐きそう……」!?

――オリジナルコンビも面白い組み合わせとなりました。
前回もそうでしたが、8組の色がすごいし、豊かになったと思います。さや香の新山さんが小籔千豊さんを選んだように、今回も“この人がこの人を指名するんだ”みたいなこともありました。
皆さん、「指名されたら出よう」というマインドがあって、「小籔さんが即興の賞レースに出るのか?」と心配しましたが、出てくださることになったし、(前回指名側として出演した)せいやさん(霜降り明星)も「盛山さん(見取り図)に呼ばれたのなら出よう」という気になったと思うんです。
(指名側として)大久保さん(オアシズ)が出てくださったのも意外でしたが、朝、「オファーを受けたことを後悔しています。吐きそう」とおっしゃっていましたね(笑)。そうして皆さんが(心意気で)出てくださるぶん、私たちは芸人さんが肩を回せる演出を用意し、ショーアップされた緊張感を高めていければ、と考えています。

「年に1回の楽しみ」が当たり前になるといい

――前回、「芸人さんからこんな声が上がった」というエピソードがあれば教えてください。
進行に関しては、皆さん、めちゃくちゃ喜んでくれました。(橋本氏が企画監修を務める)『有吉の壁』(日本テレビ系)を担当しているディレクターが多いこともあり、みんな注文されたことにできるかぎり対応するんです。今回もある芸人さんのオーダーを叶えたことで、すでに「すごくうれしかった」とおっしゃっていただいています。
初回で唯一、言われたのは「収録が長い」ということですね(笑)。とんでもない長さの収録になるため、「2日にしたほうがいいのか」という議論もしましたが、お客さんが変わると、この熱狂が薄れてしまう。朝から夜までやって、1000万円が決まったとき、とんでもなく感動するので、そこは変えられないですね。
だからこそ、なるべく“撮りすぎない”よう気をつけています。撮りすぎると編集で切らざるを得ないし、配信だからといって「(長編の)80分です」はよくありません。うまくいったものもいかないものもドキュメントなので、撮りすぎず、ライブ感を大切に収録しようと思っています。

――MCの千鳥さんに引き続き、番組サポーターとして乃木坂46の林瑠奈さんが続投しています。彼女の印象はいかがですか?
本当にお笑い好きで熱量がありますよね。誰よりも楽しみにしてくださっているのはうれしいですし、なにより度胸があるなと思います。千鳥さんの横でお客さん200人を前にして失敗できないじゃないですか。それなのに、あの若さで堂々とやっていらっしゃるんですよ。すごく頼りにしています。

――「お笑いの賞レースを配信で見る文化」が根づいてきた実感はありますか?
初回配信前、テレビと違って見るタイミングがどうしてもズレるので、どこまで話題になるのかはドキドキでした。ですが、配信して2週間で相当な人が見てくれて、Prime Videoオリジナルバラエティ番組視聴者数(Amazon MGMスタジオが日本で手掛けたバラエティ作品における配信後1カ月以内の国内視聴数)で歴代No.1を記録したんです。すごくうれしかったですね。
配信市場って、どうしてもドラマとか作り込んだものが強いイメージがあるので、「配信のバラエティって面白いな」という印象が根付くといいなと思いますし、「この時期に賞レースを配信で見る」「年に1回の楽しみ」が当たり前になるといいなと思っています。そのきっかけをAmazonさんが1億円のセットをかけてやっていただけるのもありがたいです。

【橋本和明氏 プロフィール】
1978年大分県大分市生まれ
東京大学大学院修了後、2003年に日本テレビ放送網株式会社入社
『有吉の壁』、『有吉ゼミ』、『マツコ会議』などの企画・総合演出を務めヒット番組に。
『24時間テレビ』の総合演出も担当。
2023年、日本テレビを退社して「株式会社WOKASHI 」を設立。
Amazon Prime『ゴールデンコンビ』、Netflix『ファイナルドラフト』、 Abema『愛のハイエナ』など、様々なプラットフォームでヒット作を演出。
TikTokでは縦型ショートコント『本日も絶対絶命。』を制作し、1年で16億回再生を記録。
佐藤勝利・蓮見翔とのコントユニット「グラタングミ」を結成。
メディアを横断してヒットコンテンツを作り続けている。