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ルスツリゾート、唯一無二の滑り心地——圧雪車オペレーターたちの知られざるプロフェッショナリズム

必要なのはマニュアルではなく、経験し学んだこと

技術選の舞台を担当するのは今回で4回目となる郡司さん。普段の作業では経験できない場面が多く、毎回刺激になるという。

普段のスキー場とは異なり、ネットが張り巡らされ至る所が規制されたコースは神経を使う場面が多いですね。私たちにできることは、大会出場選手が同じ条件でパフォーマンスできるようコースを整備することなので、そこに集中して毎晩作業しています

急斜面は頂上にかけた一本のワイヤーで登り下りを繰り返す

圧雪作業を行う斜面は、一つとして同じ条件はない。温度、湿度、積雪、風など気象条件によってさまざまな状態になる斜面を常に同じ状態に圧雪する方法は、マニュアルには載っていない。頼りになるのは経験だけ。

後輩のオペレーターに圧雪車の操作方法を教えることはできますが、きれいにグルーミング(整地)する方法を言葉にするのは難しいですね。圧雪車に乗って、経験を重ねるしかありません

圧雪作業で鍵となるのは、後方部分に取り付けられた「ティラー」の操作だ。ティラーが回転しながら雪を撹拌させ、そこに圧をかけてきれいなピステン模様を刻んでいくのだが、その操作方法もオペレーターの個性が出るという。

雪の降り方、積もり方によってティラーが斜面に入り込む深さや加圧の強さを調整します。その場その場で随時調整するので、オペレーターによって違いが出ます

通常、圧雪作業を行った斜面には作業と作業のつなぎ目(段差)がどうしてもできてしまう。これは高い次元のスピードで滑る技術選出場選手にとっても気になるポイントなのだが、ルスツリゾートのコースにはそのつなぎ目が見当たらない。コースに広がるのはきれいな一枚のピステン模様だ。

そこ(段差)はとくに気を使っている部分です。可能な限り平らにするために、登り、下りも機材の操作方法を変え、圧雪車のティラーの細かい微調整を繰り返します。どうやったら段差ができないか? 口では伝えられません(笑)

見事なチームワークが作り出す、ここだけの滑り心地

ルスツリゾート圧雪車オペレーター係の高い圧雪技術力は、周囲からの評価も高い。技術選にて現場の総括管理を担当していたルスツリゾートスキースクール責任者の大塚文智さんも、今回の技術選が高い評価を得たのは圧雪作業の貢献度が大きいと語る。

シーズン当初から、滑りやすいコースを維持するための徹底した斜面管理を行うことで、コース造成はおおよその範囲で仕上げることができました。大会前の暖気や大会中の降雪により、度々圧雪方法の変更など通常の管理とは異なる対応を依頼しましたが、全て満足いく形で仕上げてくれました

郡司さんら圧雪車チームによる作業の証、芸術的なピステン

技術選期間中、大塚さんの指示のもと圧雪作業が行われていたが、3月は日中気温が上がり融雪が進むため、圧雪車が入ってしまうと斜面が緩み冷えて固まるまで時間を要する。圧雪車を入れるかどうかの判断にも細心の注意が必要となるのだが、その辺は郡司さんも把握しており、夕方の作業はとくに気を使うという。

夕方に圧雪の依頼がくる時には、大体気温が上がっているためバーンは緩んでいます。ただ、夕方に圧雪車で踏んでおいた方が翌日の斜面は締まった状態になるため、そこは斜面を崩さないよう慎重に作業します

大塚さん同様にコース整備の技術を高く評価するのが、技術選にて大会バーンの最終判断をするテクニカルディレクター(TD)を務めた宮嶋SAJ技術選委員会委員長だ。

数々の大会を経験されていることもあり、圧雪車での整備を中心にSAJのさまざまな要望に対応いただきました。プロフェッショナルな技術、スタッフ皆さんのすばらしい連携を感じました

このような大きな大会に関わることができて光栄です。毎回刺激になります。今大会はバーンコンディションも評価いただき、自分自身、圧雪車係としても大きくスキルアップできました。

と、郡司さんら圧雪車オペレーター係にとっても貴重な経験となったようだ。

Mt. イゾラ、イースト Mt. からは羊蹄山を眺めながらの滑走を楽しめる

深夜から雪と向き合い、気象や雪質を見極めながら、訪れる人すべてに最高の一日を届けるために尽力するルスツリゾートスタッフ。完璧な斜面造成の裏には、自然と対話し、雪と真剣に向き合う郡司さんら圧雪車オペレーターたちの経験と誇りがある。

ルスツリゾートではグルーミングバーン以外にも、最高のパウダーが堪能できる

彼らの仕事は、ただ滑れる斜面を整えることではなく、「滑りたい」と思わせる舞台を創り上げること。朝一番、太陽に照らされた真っ白な斜面に滑り出すあの瞬間。スキーの楽しさ、本当の気持ちよさが身体中を駆け巡るはずだ。その感動のすべてが、ルスツリゾートにはある。まだ見ぬ最高の一本を求めて、ぜひこの特別なゲレンデを訪れてみてほしい。

配信元: STEEP

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