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声優・早見沙織、“激闘”続きの2025年は「人生や生き様をさらけ出す表現に触れることができた1年」

声優・早見沙織、“激闘”続きの2025年は「人生や生き様をさらけ出す表現に触れることができた1年」

早見沙織にインタビューを行った
早見沙織にインタビューを行った / 撮影:大野代樹

しなやかさと力強さを併せ持つ豊かな表現力で、「鬼滅の刃」の胡蝶しのぶや「SPY×FAMILY」シリーズのヨル・フォージャーなど、見る者の心をつかんで離さない数々の魅力的なキャラクターに命を吹き込んできた声優の早見沙織。11月7日に公開された「プレデター」シリーズ最新作「プレデター:バッドランド」では、プレデターと規格外のコンビを組むことになる上半身しかないアンドロイド“ティア”の日本版声優に抜てきされ、新たな挑戦を果たしている。そんな早見にインタビューを行い、ティア役のアフレコ秘話などを聞いた。激しい戦いに身を投じる役柄が続いた2025年については「人生や、生き様をさらけ出す表現に触れることができた1年」という答えが返ってきた。

宇宙最凶の戦士プレデターと人類の死闘を描き、その唯一無二の世界観でファンを魅了し続けてきた「プレデター」シリーズ(ディズニープラスで過去作配信中)。シリーズ初、プレデターを主人公とした本作は、誇り高き戦闘一族から追放され、宇宙一危険な“最悪の地=バッドランド”にたどり着いたプレデターのデク(ディミトリウス・シュスター・コロアマタンギ)が、上半身しかないアンドロイドのティア(エル・ファニング)と出会い、規格外のコンビとしてさまざまな危機に直面する姿を映し出す。

■プレデターとバディに!出会いのシーンは「気合が入りました」

――世界中で人気を誇る本シリーズ。早見さんと本シリーズとの出会いについて教えてください。

子どもの頃に親が見ていたのをきっかけに、プレデターを知ったのが最初です。当時はとても強く、得体が知れないので、「プレデターって何者?」と感じていました。もしプレデターが自分の近くに現れたらどんなにドキドキするだろうと、ハラハラしながら作品に触れました。

――最新作では、シリーズで初めてプレデターが主人公に。

プレデターがこんなにも意思疎通できる存在であることに驚きました。特有の言語を話すプレデターとコミュニケーションが取れるのは、どのような言語にも対応できるアンドロイドのティアがいるからこそだという設定も面白く、映画が始まってすぐに、プレデターのデクとティアがこれからどのような展開に巻き込まれていくのか楽しみになりました。

――“上半身しかないアンドロイド”であるティアというキャラクターを演じる上で、どのような工夫をされましたか?

ティアがアンドロイドと聞いて、「感情の起伏がないかもしれない」「どうやって感情を表現するのだろう」と気になっていたのですが、映画を拝見するとティアはとても陽気で何よりもよく喋ります。どんな状況も前向きに捉えられるような、見ていてとても気持ちのいいアンドロイドです。

プレデターのデクとの出会いのシーンから、ティアはずっと喋り続けています。出会いの場面は、物語の勢いを決めるものになるだろうと感じていたので、アフレコでも気合が入りました。勢いの良さや、ティアのおちゃめな要素を壊さないように臨みました。

――早見さんはこれまでにも「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」や「THE GREAT~エカチェリーナの時々真実の物語~」などでもエル・ファニングの吹き替えを担当してきました。ティアを演じるファニングを通して、彼女の新たな魅力を発見しましたか?

ティアを演じるエル・ファニングさんは、表情や動き、声のピッチや出し方など、全てがとても華やかで、つい目や耳がそちらに向いてしまうような表現をされていました。かわいらしいと同時に、物語を動かしていくようなお芝居をされていたので、画面に引きつけられるようにしてティアを見ていました。

私はエル・ファニングさんのコミカルなお芝居が大好きです。「THE GREAT~エカチェリーナの時々真実の物語~」ではエカチェリーナを演じさせていただきましたが、エル・ファニングさんのチャーミングな魅力を感じて吹き替えをしていてもすごく楽しかったです。

本作においても、自分の声を通してエル・ファニングさんのそういった一面を表現できるということが、とてもうれしかったです。儚さとチャーミング性のどちらも表すことができるのが、エル・ファニングさんのすごいところ。私もエル・ファニングさんの作品に挑戦することで、いろいろな経験をさせていただけているなと感じています。

早見沙織
早見沙織 / 撮影:大野代樹

■早見にとって「欠かせないバディ」は?

――早見さんは「鬼滅の刃」の胡蝶しのぶや「SPY×FAMILY」のヨルなど、強い戦闘力を持つキャラクターにおいても鮮やかな表現力と存在感を発揮しています。ティアとデクが次々に襲ってくるピンチに立ち向かうバトルシーンには、どのような印象を持ちましたか。

本作で面白いなと思ったのが、ティアがデクに背負われているシーンがとても多いことです。ティアはいつもデクの背中にくっついて敵の情報を話したり、指示を出したりする。バトルが激しくなってくるとデクはティアを地面に投げ出すこともあります。そういった戦い方やバトルシーンはなかなか目にしたことがないもので、本作の大きな見どころだと感じています。

――ティアとデクでなければ見せられないような、バトルシーンですね。

プレデターがアンドロイドを背負うという絵面は、とても新鮮ですよね。観客の皆さんも「プレデターがこんなにもチャーミングに見えるなんて!」と衝撃を受けると思います。完成作においても、あんなに得体が知れず、人類にとって戦いの対象だと思っていたプレデターに、いつの間にか感情移入しながら見ている自分がいました。

ティアとコミュニケーションを重ねる中で、デクの持つ不器用な優しさや、美しい意志の強さが垣間見えて、プレデターを自分たちと近い存在だと感じることができました。

――デクとティアの“バディ”を描く映画にちなみ、早見さんがお仕事に臨む上で欠かせない“バディ”だと思う物があれば教えてください。

吹き替えのお仕事では、片耳にイヤホンやヘッドホンを付けて、本国版の声を聞きながら収録を進めていきます。吹き替えの現場に行くことが多い方の中には、マイイヤホンを用意して、それをスタジオの通信機につないで収録に向き合う方もいらっしゃいます。

吹き替えのお仕事を始めたばかりの頃、マイイヤホンが格好いいなと思っていたのですが、ある日、スタジオのミキサーさんが「使っていいよ」とイヤホンをくださり、それ以降そのイヤホンをマイイヤホンとして大切に使っていました。

時間が経ち、そのイヤホンは壊れてしまったのですが、そこから習慣がつき、収録には次の代のマイイヤホンを持っていくようになりました。吹き替えのお仕事では、そのマイイヤホンが私にとって欠かせない相棒です。

――ご自身の物だと分かるような目印があるのでしょうか。

私のイヤホンははっきりとした鮮やかなピンク色です。シリコン製で、シャーベットオレンジ色の小さな袋に入れて持ち運んでいます。袋の真ん中には、オムライスのイラストが描いてあります。オムライス柄の入れ物に入った、ショッキングピンクのイヤホンということで、少し目立つアイテムになっているので、どなたの物とも間違えずに自分の物だと分かります。

早見沙織
早見沙織 / 撮影:大野代樹

■魂をぶつけ、死闘を繰り広げるキャラクターに寄り添った1年

――新たな挑戦を続けながら、声優・アーティストとして邁進している早見さん。いいお仕事をする上で、心掛けていることはありますか。

自分の心身を整えることです。2027年には声優デビューから20年がたちますが、喉を使うお仕事なので寝不足や疲れが全て声に出てしまうと感じています。もし心が定まっていない状態で臨んだとすると、そういったものも表現に反映されてしまうので、なるべくベストなコンディションで収録に向かい、そのときの自分にとって一番良いものを積み重ねていきたいです。

同時に、現場でどのような演出を受けても柔軟に応えることができるよう、心に余白を残しておくのも大切なことです。上手に、そのバランスを取ることができたらと思っています。

――2025年は激しいバトルに身を投じる役が続きましたね。どのような1年になったと感じていますか?

いつも魂をぶつけるような気持ちでお仕事に臨んでいますが、今年はとりわけ、叫びながら死闘を繰り広げたり、その人の人生や生き様自体をさらけ出したりするような表現に数多く触れることができた1年だったと感じています。ずっとギアを入れ続けて、自分の心の中の揺れを外に開放していくような年だったとも言えるかもしれません。

だからこそ、自分にとってのワークライフバランスに目を向け続けた1年でした。そして公開されるのは来年、再来年になるかもしれませんが、新しい扉を開いてくれるような役柄とも出会うことができました。もうすぐデビュー20年を迎えますが、いつまでもいろいろな扉を開くことができるお仕事だとあらためて実感しています。


◆取材・文=成田おり枝
映画「プレデター:バッドランド」本ポスタービジュアル
映画「プレデター:バッドランド」本ポスタービジュアル / (C) 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.



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