アメリカのブリダーズカップクラシック(JⅠ)を、日本馬フォーエバーヤングが制した。歴史的快挙と言っていいが、JRA賞年度代表馬に選ばれるかは微妙なところだ。というのも、同馬がJRAの舞台で走ったのは、京都でのダート1800メートル新馬戦だけ。それ以外は地方や海外で走ってきた。「年度代表馬にふさわしくない」「いや、選ばれるべきだ」と喧々諤々なのだ。
ただし、1999年度のエルコンドルパサーのように、その年にフランスでしか走らなかった馬が選ばれてはいる。今年のフォーエバーヤングの活躍はエルコンドルパサー以上と言えるから、JRAの舞台で走っていないというのは、説得力に欠ける。やはり芝で活躍した馬を上に見る風潮があることで、厄介な事態になっているのだろう。さらに言えば、JRAの営業方針が、芝の競馬優先となっていることも大きい。
JRAはダートの重賞をほとんど増やさないため、ダート馬の活躍の場はおのずと地方や中東、アメリカに限られてしまう。競馬発祥の地イギリスに倣ってレース体系を作ってきたのだから、当然のことなのかもしれない。
確かにフェブラリーSやチャンピオンズCの馬券売り上げや注目度は、芝のGⅠに比べればかなり小さい。そう思うと、JRAは今後もダート競馬に力を注ぐことはないのだろう。
これとは逆に、馬主や調教師、生産者のダート競馬への見方は、かなり変化してきている。ダート競馬の3冠レースが軌道に乗ってきたことに加え、海外のダートのビッグレースの優勝賞金が桁違いに高いからだ。ウシュバテソーロやフォーエバーヤングは実際にそこで結果を出し、巨額の賞金を手に入れている。
今はダート血統の馬を欲しがる馬主が増えてきており、生産者もダートで活躍した馬の種牡馬入りを歓迎するようになっている。例えば26億円を稼いだウシュバテソーロは今年、種牡馬入りしたが、種付けを希望する生産者が列をなし、社台スタリオンは嬉しい悲鳴を上げている。
フォーエバーヤングは来年も現役を続けるが、引退後はリアルスティールの後継種牡馬として社台スタリオンに入ることが、すでに約束されている。今の競馬の流れからして、社台グループがこの馬に力を注ぐのは明らかだ。種牡馬として成功するのは間違いないだろう。
では、グッドラック!
(兜志郎/競馬ライター)

