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「“永遠”を描く心理小説」『ウロボロスの環』小池真理子 インタビュー

「“永遠”を描く心理小説」『ウロボロスの環』小池真理子 インタビュー

作品は「遺書」

――その混乱がひとつひとつ言語化されていき、小説になるという作業がすごいですね。

小池 小説にすることで一つけりをつける、ということもありますしね。
「小説すばる」の最後のページに作家の簡単なプロフィールが載っているじゃないですか。あれを見るたびに、「私がいちばん年上だな」と思うのよ。「私はいつまで書き続けるんだろう」って。
 たぶん頭さえはっきりしていれば、こうして書き続けていくんでしょうね。誰かのために書くというより、たぶん自分のためなんじゃないかという気がします。自分のために、何かを表現していくんだと思います。

――長編を完成させて、休む間もなく「小説新潮」で「ソリチュード」という新連載が始まりました。

小池 『ウロボロスの環』のあと、次はまた書き下ろしで長編を書く約束をしていたんだけど、いくらなんでも体力的にすぐには無理だし。
 それがある日、小説の神さまみたいなのが降りてきてくれて、書きたい、と思ったのが「ソリチュード」でした。一年間ぐらい、今の自分が考えていることを散文形式で書く予定で、長編に取りかかるのはそれからですね。
 かなり前ですが、作家の辺見庸さんが新聞のエッセイに「書くことは全て遺書なのだ」というようなことを書いておられて、強い感銘を受けました。作家ってみんな遺書を書いているんだろうな、と思いました。そう思える作品を残していきたいです。

「小説すばる」2025年11月号転載

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