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『ばけばけ』7週目予告でトキが「寝室に入る」場面あったけど ヘブン先生は本当に「ラシャメン(洋妾)」を求めてるのか?

『ばけばけ』7週目予告でトキが「寝室に入る」場面あったけど ヘブン先生は本当に「ラシャメン(洋妾)」を求めてるのか?


『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

【画像】え…っ! 夫婦で立って並ぶと「なんか小っちゃくてかわいい」 コチラが小泉八雲さん(ギリシャ人)と小泉セツさん(日本人)の身長差です

7週目の予告は衝撃的だったが

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。

 第6週30話では主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が、未来の夫である松江中学の英語教師「レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)」の身の回りの世話をする「女中」になることを決意しました。これから彼女には、ヘブン(月給100円)から毎月20円の給与が払われます。親友の非正規教師「野津サワ(演:円井わん)」の月給4円と比較すると、とんでもない額です。

 ヘブンが松江に来てからずっと泊まっていた花田旅館を離れ、女中を雇うと言い出した際、島根県知事の「江藤安宗(演:佐野史郎)」は「どっちもできる女中」がふさわしいと語っていました。家事炊事だけでなく夜の相手もする、いわゆる「洋妾(ラシャメン)」になってくれる女性が必要だというのです。

 女中探しを手伝っていたヘブンの同僚「錦織友一(演:吉沢亮)」も、最初は錦織からの提案を断ったトキも、ヘブンが女中に20円も払うのは洋妾として雇うからだと思っているようですが、ヘブン本人は一度もそんなことは言っていません。第7週の予告では、トキがヘブンの寝室に招かれる場面が描かれており、話題になっていましたが、朝ドラでそこまで直接的なシーンが流れるとは思えないので、こちらはミスリードでしょう。

 モデルの小泉セツさんは、1891年2月頃にラフカディオ・ハーンさんの家で住み込みの女中として働きはじめ、同年の夏頃には彼と夫婦になったといわれています(法的に婚姻関係となったのは1896年)。セツさんを女中として雇った当初、ハーンさんに彼女を妾にするつもりがあったのか、そうでないのか、今となってははっきりとは分かりません。

 1891年6月28日の山陰新聞に載ったセツさんに関する記事では、彼女が「ヘルン(ハーン)氏の妾」だと書かれています。ほかにも彼女がハーンさんから「月十五円」をもらっていること、そのお金で養家の稲垣家や、「乞食」になってしまった小泉家の母・チエさんを助けていることなどが記されていました。

 後年、セツさんが周りから「洋妾」といわれることが一番つらかったと語っている通り、少なくとも当時の彼女を「ハーンさんの妾」として見ていた人は一定数いたようです。ただ、ふたりの長男である小泉一雄さん(1893年生まれ)は、著書『父小泉八雲』のなかで、ハーンさんが最初からセツさんを妾として雇っていたという言説を、真っ向から否定しました。

 一雄さんによれば、ハーンさんは1890年4月に横浜に着いた当日、街を見物するために雇った人力車の車夫が、いきなり彼を遊郭に連れて行こうとしたので、怒って引き返させたといいます。また、アメリカでの新聞記者時代、ある婦人がハーンさんを崇拝して物品を寄贈するなど熱を上げていたことがあったものの、その際もハーンさんは自分は記者として人に知られている存在なので、変な噂を立てられたくないと、彼女を避けたそうです。

 そして一雄さんは、父のハーンさんについて「日本へきて初めて教育家の地位に置かれた彼は、その地位をかなり重視して軽はずみはしていないはずだ」「(父は)旅先においては特に紳士的となる人であった。それなればこそ、どこの旅先でも敬愛されたのである」と語っています。

『ばけばけ』のヘブンもおそらく、単に女中が必要なだけなのに周りが早合点して洋妾を用意しようとしている、という状況なのでしょう。いつその誤解が解けるのか、来週以降に注目です。
 
※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

参考書籍:『父小泉八雲』(著:小泉一雄/小山書店)、『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)

配信元: マグミクス

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