現地時間9月19日(日本時間20日、日付は以下同)、NBAレジェンドのロバート・オリー(元ロサンゼルス・レイカーズほか)が、ポッドキャスト番組『Big Shot Bob Podcast』の最新エピソードを公開した。
オリーはNBAでプレーした16シーズンすべてでプレーオフに出場した208㎝・109㎏のフォワード。エースではなかったものの、ローテーションの一角としてヒューストン・ロケッツで2連覇(1994、95年)、レイカーズで3連覇(2000、01、02年)、さらにサンアントニオ・スパーズでも2度(2005、07年)の優勝に貢献した名脇役だ。
なかでも長身から繰り出す3ポイントは、プレーオフの重要な場面で何度もリングを射抜き、大舞台で何度もクラッチショットを沈めて勝利を引き寄せてきた。
7度のNBAチャンピオンに輝いたオリーは、現在レイカーズの地元メディア『Spectrum Sports』でコメンテーターを務めている。レイカーズは今季は29日にメディアデーが組まれていて、同日にトレーニングキャンプも始動する予定だ。
今オフにチームはルカ・ドンチッチと3年の延長契約(3年目はプレーヤーオプション/以降PO)を締結、さらにFA(フリーエージェント)戦線でディアンドレ・エイトン、マーカス・スマートを獲得。ドンチッチ、オースティン・リーブス、八村塁、レブロン・ジェームズ、エイトンで形成する予想先発陣は豪華そのものだ。
ベンチにもスマートやジェイク・ラレイビア、ジャレッド・ヴァンダービルト、ゲイブ・ヴィンセント、ジャクソン・ヘイズらが控えていて、ウエスタン・カンファレンス3位の50勝32敗(勝率61.0%)を残した昨季を上回る戦績を残す可能性を秘めている。
その一方で、PO行使で残留したレブロン、八村、ヴィンセント、マキシ・クリバー、ヘイズの契約は今季限り。エイトンとスマート、さらにはリーブスも来季契約がPOのため、現有ロスターでフルシーズンを戦えるのは今季だけになる可能性がある。
そんな状況下で、オリーはチーム3番手のトレードを提案していた。
「レイカーズが賢明なら、サイン&トレードをするだろう。その理由は、ひとつのチームに似たような選手が2人いるからだ。それはルカとAR(リーブスの愛称)のことで、あの2人は同じスキルセットの持ち主ではない。(だけど)彼らは同じポジションで、ほとんど同じようなことをしている」
ドラフト外からレイカーズに定着したリーブスは、レブロン(7年)に次ぐチーム2位の在籍4年を誇る27歳。196㎝・89㎏のガードは昨季平均20.2点、4.5リバウンド、5.8アシスト、1.1スティールと、自己ベストのシーズンを送った。
だが、レイカーズには198㎝・104㎏のドンチッチがいる。昨季途中のトレードでダラス・マーベリックスから加わった“スロベニアの神童”は、28試合の出場で平均28.2点、8.1リバウンド、7.5アシスト、1.6スティールをマーク。
レイカーズに4シーズン在籍したリーブスと、オフのコンディショニングで14㎏の減量に成功したドンチッチ。どちらもオフェンス面では秀でている一方、ディフェンス面で難を抱えていて、プレーオフの大舞台で苦戦しているのが現状だ。
そのため、オリーはこの2人を長期間残すことは得策ではないと指摘していた。
「このままでは無駄になってしまう。勘違いしないでくれよ。私はARのことが大好きだし、彼なら活躍できると思っている。でも同じタイプの選手は2人も必要ないんだ。NBAではフィットするかどうかがすべて。これまでの偉大なチームを見てみてくれ。彼らはそれぞれ異なるチームだった」
オリーはデンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチ、ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボ、オクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレキサンダーを引き合いに出し、彼らと似たようなフレームとプレースタイルの選手がいないと発言。
さらにはレブロンがマイアミ・ヒートに所属していた当時も、コンボガードのドゥエイン・ウェイド、ストレッチ4タイプのクリス・ボッシュがレブロンとともにビッグ3を形成していて、彼らが異なるタイプの選手だったと口にしていた。
ドンチッチ、レブロンと一緒に共闘して平均20点以上を残すリーブスは、3番手の得点源と見れば有能だ。ただ、強豪揃いのウエストを勝ち上がるためにはドンチッチに似たプレースタイルのリーブスではなく、異なる強みを持つスター選手を加えることが優勝への近道とオリーは見ているのだろう。
今オフにレイカーズからオファーされた延長契約を拒否したと報じられたリーブスが、今季どんなパフォーマンスを見せるのかは必見だ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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