相模湖の下には、かつて村があった―。
神奈川県相模原市にある相模湖は、1947年に相模ダムの完成によって生まれた人造湖。その湖底に沈んだのが、旧日連(ひづれ)村・勝瀬(かつせ)集落だ。
今回は、取材のためのスペシャルゲストとして、沈んだ村の末裔で、県立相模湖公園で観光遊覧船「スワン丸」などのレジャー施設を運営する「勝瀬観光」の小野澤陸雄(りくお)社長が登場し“湖底の村”の物語を紹介してくれました。
湖の下に、かつて村があった
相模ダム建設のため、湖の底に沈んだ「勝瀬集落」。1947年の完成にともない、村人たちは故郷を離れることを余儀なくされました。小野澤社長の父親も勝瀬集落の出身で、自身も幼い頃、その地で暮らしていたそうです。
かつて勝瀬集落は、養蚕が盛んな豊かな村でした。ところが突然の立ち退き命令により、田畑も家も、思い出までも置いていかなければならなかったといいます。
そんな過酷な現実を受け入れながら、元住民たちは「故郷を観光地としてよみがえらせたい」と立ち上がりました。こうして生まれたのが、現在の「勝瀬観光」です。
遊覧船の運行をはじめ、もぐらたたきや射的、メリーゴーランドなどが並ぶ昭和レトロなゲームセンターも併設。どこか懐かしい空気が漂います。
ニュースワン丸で湖上へ!社長が語る「沈んだふるさと」
いざ、小野澤社長とともに、白鳥型遊覧船「ニュースワン丸」で湖上へ。ツアーは約25分で、大人1,000円、小学生500円です。
実は勝瀬観光は、1966年に日本で初めて白鳥型遊覧船を導入した“スワンボート界のパイオニア”。
現役で活躍する「ニュースワン丸」は1984年に誕生した2代目で、40年以上にわたり相模湖のシンボルとして親しまれています。
「新しいスワン丸の見積もりをお願いしたら、“3億円かかる”って言われましてね」と未来の計画を情熱たっぷりに語る小野澤社長の笑顔には、故郷への誇りと愛がにじんでいました。
