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フェラーリのサンパウロGP不調で改めて見えた、SF-25のアキレス腱。バンピーなインテルラゴスで低車高維持に苦慮か?

フェラーリのサンパウロGP不調で改めて見えた、SF-25のアキレス腱。バンピーなインテルラゴスで低車高維持に苦慮か?

F1サンパウロGP初日、スプリント予選ではマクラーレンとメルセデスが速さを見せる一方、フェラーリ勢は苦しい立ち上がりとなり、シャルル・ルクレールが8番手。ルイス・ハミルトンはSQ2で敗退して11番手に終わった。

 今回のレースウィークでは、スピンするフェラーリの姿が珍しくない。インテルラゴスのセクター2は路面の起伏に富んでいるが、FP1ではハミルトンが下りの左コーナーであるターン11で底を打ってしまい2回転。SQ2ではルクレールもその3つ手前のコーナーでスピンしてイエローフラッグを出してしまい、ハミルトンはその影響を受ける形となってしまった。

 ルクレールはSQ2の1回目のアタックで1分09秒732をマーク。タイム更新を狙った次のアタックではスピンしたものの、結果的にSQ3進出には十分なタイムであった。一方ハミルトンのタイムは1分09秒811。ルクレールとはコンマ1秒差もないが、トップ10からあぶれてしまった。これが現代F1の厳しさだ。ハミルトンの次のラップはルクレールのスピンに遭遇したことから1分09秒934にとどまり、時間的にもう一度アタックすることも叶わなかった。

「(イエローフラッグは)確かに不利に働いたけど、そのせいでトライできなかったというわけじゃない」とハミルトンは言う。

「チームは自分たちがもっと速いと思っていたし、全力を尽くした。ただ単純に速さが足りなかったんだ」

「僕は11番手だから、そこから楽しんでいくしかない。今年は僕にとって全然うまくいってないから、文字通り今いる位置から楽しむことだけを考えるよ。それくらいしかできない」

 フェラーリが走行タイミングを遅らせすぎたと批判するのは簡単だが、インテルラゴスでは路面コンディションの改善、いわゆるトラックエボリューションが激しく、各チームはリスク覚悟でセッション終了ギリギリのタイミングを狙うしかないのだ。

■スピンの背景

 予選巧者で知られるルクレールのスピンの経緯は興味深い。彼はインテルラゴスの最もタイトな区間で、レーシングブルズのアイザック・ハジャーに追いついてしまった。オンボード映像を見ると、ルクレールはターン6の前で何とか抜こうと必死にプッシュしており、そこからリズムを崩した。ターン7で姿勢を乱し、ターン8はオーバースピードで、アウト側の汚れたラインに乗ってしまってスピンしたのだ。

 フェラーリは今季を通じて構造的な欠点に悩まされている。SF-25の空力設計は低い車高で最大性能を発揮するよう最適化されているが、実際の走行ではその低さを安定して維持できていない。フロアから巨大なダウンフォースを発生する現行のグラウンドエフェクトカーではリヤ車高が極めて重要であり、側面から空気が流れ込まないようにフロアの端で密閉するように気流をコントロールしなければならない。

 レッドブルが2022年の新規則導入直後から強かった理由のひとつは、チーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイに1980年代のグラウンドエフェクト時代の知見があることだ。彼はサスペンション設計が床下の空力安定性に深く関係し、ポーパシングやバウンシングといった問題をおさえる上で重要だと理解していたのだ。そしてそのニューウェイが現場から離れるにつれて、レッドブルの勢いも落ちていったことは興味深い。

 マクラーレン、そして最近では再びレッドブルも、リヤ車高を低く保ちながらも跳ねや底付き、過度なプランク摩耗を防ぐ方法を見つけた。しかしそれでも、今回レッドブルのマックス・フェルスタッペンが苦戦したように、インテルラゴスのようなバンピーなサーキットではそれを一貫して実現するのは簡単ではない。

 フェラーリはこれらの謎を解明できておらず、リヤ車高を上げることで著しく走行性能を落とすことになってしまっている。その証拠に、ルクレールはSQ3でミディアムタイヤからソフトタイヤに替えてもタイムは0.1秒も縮まらなかった。2回目のアタックはさらに遅くなったが、これはギヤボックスの不具合によるもので、シャシーの問題とは無関係だ。

 ルクレールはスプリント予選の後、次のように語った。

「今日は本当に遅かった。フィーリングはそれほど悪くなかったけど、とにかくスピードが足りない。明日に向けて改善が必要だ」

「SQ3の最初のアタックはとても良かった。ただ最後のストレートでダウンシフトが入らなくて、0.15秒ぐらい失った。でも、たとえそれがなかったとしても、順位は大きく変わらなかったと思う」

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