なんとなくからだによさそうなイメージはあっても、「何を飲めばいいのかわからない」「苦くて飲みにくそう」といった印象から、試すのをためらっている方もいるかもしれません。
でも、漢方茶は飲むだけで美容と健康の維持に役立つ、すごいチカラを秘めているんです!
今回は、漢方茶の基本から漢方薬との違い、日常にとり入れる方法や注意点について、あんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに解説いただきます。
そもそも「漢方茶」ってなに?

漢方茶とは、東洋医学の考え方に基づいて、さまざまな素材をブレンドして作られたお茶のことです。
漢方茶には、漢方薬にも入っている「生薬(しょうやく)」という、植物・鉱物などの成分や、薬草が用いられ、ティーバッグなどでそのまま飲めるようになっています。
東洋医学には「未病」という、病気になる手前の不調状態を指す言葉があり、本格的な病気になる前の未病の段階で心身のバランスを整え、健やかな状態に導いて未然に防ぐことを重視しています。
漢方茶は、体質を見直すことで肌の調子を整えるなど、からだの内側からの美しさをめざす際の心強いサポート役となってくれるでしょう。
漢方薬との違いとは?

漢方薬と漢方茶には、目的そのものに明確な違いがあります。
まずはその違いからみていきましょう。
「漢方薬」は医薬品であり、特定の症状や病気に対する治療効果が認められています。
また病気の改善を目的としており、医師による処方、もしくはドラッグストアや漢方薬局などで売られています。
一方、「漢方茶」は医薬品ではありません。
漢方薬と同じく生薬が含まれていますが、医薬品として扱われているわけではなく、とり扱う際の薬剤師や登録販売者の資格も不要です。
つまり、漢方薬と漢方茶には、「医薬品としての効果が期待できるかどうか」という部分に違いがあるのです。
漢方茶と似ているものに「薬膳茶」がありますが、こちらは「食薬」という、果実や豆、花などの食材と茶葉を組み合わせたもので、生薬は使用されません。
