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〈高市首相が規制強化〉メガソーラーと共に生きる街のリアル「暑くはないし見晴らしも良くなったが…今後が不安」専門家は「土砂崩れはいつ起きてもおかしくない」「責任者が不明な施設も」

〈高市首相が規制強化〉メガソーラーと共に生きる街のリアル「暑くはないし見晴らしも良くなったが…今後が不安」専門家は「土砂崩れはいつ起きてもおかしくない」「責任者が不明な施設も」

「数百㎥クラスの土砂が崩れる災害はいつ起きてもおかしくない」

高根沢町ではなだらかな土地にパネルが並べられたため、土砂崩れを心配する声は聞かれなかった。しかし山の上のメガソーラーの下の住む人は事情が違う。

静岡県熱海市伊豆山のメガソーラー近くに住む女性は、住民は土砂崩れの恐怖と行政への不信を感じながら暮らしている、と話した。

「伊豆山地区では2021年7月に違法な残土の盛り土が崩れて20人以上が亡くなりました。あの災害はメガソーラーは関係ありませんが、熱海市は盛り土の違法性を知りながら放置して大惨事が起きました。そんな行政だからメガソーラー建設が違法にされたりずさんな管理をされたりしていても私たちは知らないまま、という可能性は全然ありますからね」(女性)

 土砂崩れに関しては、メガソーラーが原因の大規模災害による人命被害が伝えられたことはないとみられるが、石原環境相もリスクがあるとはっきり口にした。実際にはどの程度危険なのか。

21年の伊豆山土石流災害の真相解明にも取り組み、メガソーラーにも詳しい土木設計エンジニアの清水浩氏が解説する。

「21年の土石流災害は太陽光発電には責任はありませんが、だからといって太陽光発電に問題がないというわけではありません。熱海市の行政手続きがまともに機能しておらず、ほとんど業者が“やりたい放題”。太陽光発電のために“緊急伐採”をやったとの書類を半年後に受け付けたりして、市議会でも追及されているんです。

メガソーラーを設置するためには山の頭を平らにする必要があります。そのため(山の)上を切り、そこで出た土砂を脇に盛っています。この土砂の流出を大型の土のうで留めているのですが、土のうは耐久性があまりなく3年から5年で風化してしまいます。

それがそのまま放置されているので、前回の大規模災害よりはひどくないですが数百㎥クラスの土砂が崩れる災害はいつ起きてもおかしくない状況です」(清水氏)

「太陽光業界は事業を転売する業者が多く、責任の所在がわからない」 

また、前出の高根沢町のAさんやBさんが口にした漠然とした不安が今後リアルなものになる可能性も清水氏は指摘する。

「太陽光業界は事業を転売する業者が多く、責任の所在がわからなくなって結局誰も管理しない施設が増えている実態があるかと思います。ずさんな設置工事が行われたり、排水施設が詰まっても気づかなかったりとかいうこともたくさんあります。

これからFIT法による電力の買取価格が下がっていく時期に入り、太陽光事業が成立しない事業者が増えるとさらに管理もずさんになることが目に見えていますよ。また耐久年数を過ぎたパネルが今後大量に処分されるようになれば処分料が上がるので不法投棄が増える危険性もあります」(清水氏)

問題がこれから本格化する太陽光発電。政府の規制強化はむしろ遅すぎたのでないか。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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