F1サンパウロGPのスプリントレースでは、最終盤に大きなアクシデントが発生した。ホームストレートエンドのバリアに激突したザウバーのガブリエル・ボルトレトが、当時の状況を語った。
アクシデントが起きたのは、24周のレースのファイナルラップだった。10番手争いをしていたボルトレトは、ターン1で前を行くアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)のインに飛び込もうとして挙動を乱し、ホームストレートエンド内側のバリアに激突。そのままアウト側のバリアにハイスピードで突っ込んだ。大きなアクシデントだったにもかかわらず、ボルトレトは自力でマシンから降りることができた。
マシンは言うまでもなく甚大なダメージを受けたが、チームは数時間後の予選に向けて懸命な修復作業に取りかかった。予選Q1では車両が形となり、ボルトレトはマシンに乗り込んだものの、出走するには至らなかった。
予選後に取材に応えたボルトレトは、スプリントでの事故の詳細を伝える前に、チームのハードワークを労った。
「まず最初に、チームを称えたい」
「彼らはゼロからクルマを作り直してくれて、予選に間に合わせる寸前まで持っていった。簡単なことではない。本当に素晴らしい仕事だった」
そう語ったボルトレト。前述の通り、Q1ではドライバーが乗り込むところまで作業が進んでいたわけだが、彼は予選を戦える完璧な状態にするにはもう数十分必要だっただろうと振り返る。「もしコースに出られたとしても、クルマがちゃんと動くかの確認程度になっただろうね」とのことだ。
そしてスプリントでのアクシデントの原因について、ボルトレトはデータを解析しなければならず現時点でははっきりとしたことは言えないと語ったが、現時点で考えられるのはDRS絡みか、もしくは雨上がりの路面にあったウエットパッチに乗ったかだ。映像では、ボルトレトのマシンのDRSは彼が左に進路を変え始めたのとほぼ同時に閉まっているが、DRSが閉まり切る前に挙動が乱れた可能性もある。
ボルトレトは次のように語る。
「最初にアレックス(アルボン)に仕掛けて、うまく前に出られたけど、その後彼にDRSで抜き返されてしまった。その後はいくつかの要因が重なったと思う」
「僕は彼にもう一度ダイブボム(飛び込み)をした。DRSがオンの状態で、おそらくウエットパッチの上でブレーキングをした時にマシンが完全に左を向いて壁に突っ込んだ。そこからは成す術がない状態で、コントロール不能だった。最悪な気分だったね」
ボルトレトは事故で57Gという衝撃を受けたが、怪我もなく無事だった。場合によってはコントロール不能のまま、1コーナーを曲がろうとするアルボンのマシンに高速で突っ込んでいた可能性もあるだけに、まさに幸運だったと言える。
ボルトレトも「僕は運が良かったと言う」
「これはドクターにも言ったけど、自分の足でマシンから降りられたし、少し痛みはあるけど、普通にレースを走り切った時にもあるような、よくある痛みの範疇だ。肩が痛むことはよくあるし、それと同じだ」
「本当に運が良かった。もっとひどいことになっていたかもしれないからね。こうしてあなたたちと話せて、予選ももう少しで走れそうな状態まで来られたんだ」

