「親友のもっと強い感じ…でも親友とも違うな」
――では意識し始めたのは、けっこう初期の段階だったんですね。
中込 そういう話をし出したのは、6年前ですね。
――かなり特殊なプロセスですね。おふたりの過去の恋愛ともだいぶ違ったのではないでしょうか。
中込 そうなんです。初めての感覚ではありますね。
祥子 “欲”じゃないんです。普通の恋愛って、この“欲”の感情が強いと思うんですけど……。
中込 「イチャつきたい」とかじゃないんですよ、本当に。
祥子 (私たちは)親友のもっと強い感じ……でも親友とも違うな。
――いわゆる、恋愛初期のドキドキ感とかは省略された感じでしょうか。
祥子 すごく、(中込を)ステキだなと思うことはありますけど……。
中込 最初にそういう(“結婚”のワードが出る)話をするときは、(心臓が)バクバクっとなっていた気がしますけどね。そんなにいきなり、「オレたち家族じゃん」という感じではなかったです。
祥子 でも、そこからプロポーズにいたるまで、恋人みたいな関係になることは本当になくて、親友としての関係は何も変わってないです。

中込 より仲良くなりました。めっちゃ仲いい友だちと、より仲よくなった感じです。お笑いの話をしたり、友だちとして一緒に飲みに行ったり、ショッピングに行ったり、それはずっと変わらない。僕たちの関係は“変わった”んじゃなく、“深まった”という感じなんです。
祥子 私たちも感覚がマヒしていて、一緒にツアー旅行に参加したりもしていたんですよ。そこにファンの方もいて、一緒にしゃべったりして。変装もせずに、すごく堂々としていたけど、よく考えたらおかしいなということに、ここ(取材場所)まで来る間に2人で話しながら気づきました。
一緒にツアーに参加したマダムにも「どういうご関係?」って聞かれて、「友だちです」って答えたら「えーっ!?」って驚かれて。
中込 キモがられました。
祥子 本当に感覚がマヒしていたよね。動画を撮ったり、ネタを作ったりするための部屋を借りていて、ほとんど一緒に住んでいましたし。もちろん寝室は別ですけど、そういうふうにしていたからいいかって。
中込 関係は変わらず、いまに至るまでスライドしてきたような感覚です。

プロポーズのきっかけは「あれ? もういいかも」
――そこから、ついに“プロポーズ”という決定的な行動に至った理由は何ですか?
中込 1人で飲んでいる日があって。
祥子 私の舞台中だと思います。
中込 ふだんは2人でゴハンを食べることが多いんですけど、その期間は祥子が忙しくて、お店で1人飲みをしているときに「あれ? もう、いいかも」って思ったんです。ずっと「いつかね?」って話していたのが、ふと「もういいかも」になって、気づいたら某ジュエリーブランドのサイトを開いていました。
祥子 (笑)
――では、なにか大きなきっかけがあったわけではないんですね。
中込 バイトを辞めて(芸人で食べられるようになって)5年経ったとか、そういうのはあると思うんですけどね。あとは、僕らは単独ライブを大事にしているんですけど、今年はいよいよ大阪でも開催しようかという話が出たりもしていたんです。全国(ツアー)という目標に向かって、初めて大阪公演という大きな一歩が踏み出せることで、これは先延ばしにしてもしょうがないって思うようになったんです。
本当は、もっと、もっと、僕らがどういう人たちかというのを認知されてからのほうが、結婚が余計なフィルターにならないだろうと思ったんですけど、それを待っていても、納得できるタイミングなんてないんだろうなって。それで、けっこう勢いというか……。
――1人になる時間があったのも、きっかけのひとつになったんでしょうか。
中込 そうかもしれないです。もちろん、不安になったとかではないんですけど。
――仲間の芸人さんに相談はしましたか?
中込 それが、まったくないんですよ。同期で知っている人はまだいないです。
祥子 仲が良すぎるので、飲み会で「おまえら、どうなんだよ」とか聞かれたときに、「したいと思っている」とか「できる」って答えたことはあって、「結婚」というワードは出していましたね。
中込 同期にもめちゃくちゃ奇妙がられていて、「彼女は?」って聞かれたりするんですけど、6年前の鳥貴族のころから常に「いないよ」って答えていて、「じゃあ、祥子と付き合ってるの?」と聞かれても「付き合ってないよ。でも結婚とかは……」って答えるから、「なに言ってるんだ、こいつら?」って思われてたんです。
でも、しっかり説明しても理解されず、「そんなわけないだろ」って言われるだけだと思うので、みんなにはふわっと「結婚したいんだけどね」くらいに言っていました。
