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フェルスタッペン逃げ切りV。サインツJr.が古豪に4年ぶり表彰台……角田裕毅は昇格後最上位も”因縁”抜けず|F1アゼルバイジャンGP決勝

フェルスタッペン逃げ切りV。サインツJr.が古豪に4年ぶり表彰台……角田裕毅は昇格後最上位も”因縁”抜けず|F1アゼルバイジャンGP決勝

F1第17戦アゼルバイジャンGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが決勝レースを制した。

 舞台はカスピ海西岸に面したアゼルバイジャン首都バクーの市街地サーキット。超高速の長い直線区間と狭く曲がりくねった低速の旧市街区間が直角コーナーで繋がれたコースレイアウトだ。コースとウォールの距離が近く、アクシデントの確率も高い。

 また”風の街”という異名を象徴するかのように、バクーには赤旗6回というF1史上最多記録が樹立された前日の予選同様、9月21日(日)のレース前から強い風が吹き付けた。気温21度、路面温度28度という中、スタート時刻を迎えた。

 フォーメーションラップを経て20台がグリッドに並び、赤く灯った5つのシグナルが消えると51周の決勝レースが幕を開けた。

 フェルスタッペンはハードタイヤスタートながら、ポールから抜群の蹴り出しを見せてホールショットを決める。ミディアムタイヤを履くウイリアムズのカルロス・サインツJr.とレーシングブルズのリアム・ローソン、予選2〜3番手と大金星を挙げたふたりが続いた。

 レッドブルの角田裕毅は6番手からハードタイヤでスタート。ターン2でメルセデスのジョージ・ラッセルのインを差して5番手に浮上したものの、すぐさまポジションを奪い返されて6番手に後退した。

 ただ予選の荒れた展開に続いて1周目から早速アクシデントが発生し、セーフティカー出動となった。ランキング首位に立つマクラーレンのオスカー・ピアストリはシグナルが消える前にクラッチを繋いでしまい、マシンがアンチストールに……スタートで出遅れただけでなく、ターン6で曲がりきれずにウォールの餌食となった。クラッシュを喫した予選同様、冷静沈着なピアストリらしからぬミスが見られた。

 ピアストリのマシンが回収され、テックプロバリアの修復も完了すると、レースは5周目から再開。ここからは比較的クリーンなレース展開となった。

 フェルスタッペンはリスタートを決めて首位をキープ。サインツJr.とローソンも離れて続いた。その後方で角田はラッセルを交わして5番手に浮上。ただ前を行くメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリがミディアムタイヤを履いていたこともあり、角田は迫ることができず……同じコンパウンドを履くラッセルに対して防戦一方となり、10周目のターン3でまたも先行を許した。

 この頃からミディアムタイヤとハードタイヤのペースが逆転し始め、首位フェルスタッペンと5番手ラッセルがファステストを更新しながら快調に飛ばした。

 上位のミディアム勢は、19周目にまずアントネッリからピットイン。翌周には角田の1秒後ろを走っていたフェラーリのシャルル・ルクレールもピットに戻りハードタイヤに交換した。さらに1周遅くピットでハードタイヤに履き替えたローソンはアントネッリの前でコースに合流したが、既に温まったタイヤで猛プッシュするアントネッリをコース上で抑え込むことはできなかった。2番手サインツJr.は28周目までミディアムでの第1スティントを引っ張りピットへ。ハードタイヤに履き替えてピットイン組での暫定最上位に立った。

 ハードスタート勢のピットウィンドウはピレリ曰く31周から37周とされていたが、ドライバーからのフィードバックは良好。セーフティカー出動などのリスクも踏まえて想定よりも長い第1スティントとなった。

 角田はピットイン組のアンダーカットを阻止するべく34周目からペースを引き上げて自己ベストラップを更新。ミディアムタイヤで引っ張り続けていたマクラーレンのランド・ノリスが38周目にピットで新品ハードタイヤに交換したことを受けて、角田も反応してピットに戻った。

 レッドブルは角田にユーズドのミディアムタイヤを履かせてローソンの前で送り出すことができたものの、タイヤが温まっていないこともあり角田はローソンに先行を許した。

 ラッセルが40周目、フェルスタッペンが41周目にピットに入り、ほとんどのドライバーがタイヤ交換義務を済ませた。この時点ではフェルスタッペン、ラッセル、サインツJr.、アントネッリ、ローソン、角田というトップ6の顔ぶれだった。

 角田の後ろにはルクレールを交わしたノリスが迫っていたこともあり、使い込んだハードタイヤを履くローソンを攻めあぐねる周回が続いた。そのうちにルクレールとポジションを入れ替えたフェラーリのルイス・ハミルトンもDRSトレインに加わった。

 先頭に目を移すと、フェルスタッペンがスタートからライバルを全く寄せ付けることなく51周を走りきり、ポールトゥウィン。今季4勝目、前戦イタリアGPから2連勝だ。

 2位はラッセル。スタートではポジションを落とすことがあったものの、フェルスタッペンに次ぐレースペースでポジションを挽回してみせた。

 3位はウイリアムズ移籍1年目のサインツJr.だ。予選でのスピードそのままに、今年課題とされていたレースでの実行力という面での改善を見せた。ウイリアムズとしては、2021年ベルギーGP以来の表彰台だ。

 4位はアントネッリ。最終的にローソンは5位を守りきり、角田は0.5秒届かず6位となった。レッドブル陣営内での来季の去就が噂されるだけに角田としては姉妹チームのローソンの前でフィニッシュしたかったところだったが、レッドブル加入後最上位でチェッカーを受けてポイントを稼ぐことができた。またノリスやハミルトンなどを抑え込んでチェッカーを受けたという点では、コンストラクターズランキングでチームに多少貢献することができた。

 次戦は2週間後のシンガポールGP。息を吹き返したレッドブルがコース特性の異なるマリーナベイ市街地サーキットでも速さを見せるのか、また角田が再び一貫性のある週末を送ることができるのか、目が離せない。

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