
多部未華子さん(2017年6月、時事)
【画像】え…っ? 「表情が完璧すぎる」 コチラが多部未華子さんたちが再現度絶賛された実写化映画です
原作者から大絶賛された作品も
人気マンガの実写化は、キャスティングが成功の鍵を握っていると言っても過言ではありません。一歩間違えれば賛否を招く重要な要素です。数ある実写化作品のなかには、メインのふたりが「ハマり役」と絶賛されるほど、みごとな配役となった作品もあります。
2024年に公開された映画『カラオケ行こ!』(原作:和山やま)は、カラオケ大会の歌ヘタ王を回避したいヤクザ「成田狂児」が、変声期に悩む合唱部部長の男子中学生「岡聡実」に、歌唱指導を依頼する物語です。狂児役は綾野剛さん、聡実役はオーディションで選ばれた齋藤潤さんが演じています。
公開前は、原作の狂児と綾野さんの顔立ちが異なるため「ビジュアルが似ていない」とファンから不安視する意見も出ていました。しかし公開されると、所作や話し方で狂児を見事に再現しており、観客からは「観たらあの世界の狂児は綾野さんしかいないって思った」と感嘆する声があがっています。
一方、齋藤さんも狂児のためにX JAPANの「紅」を熱唱するシーンや、思春期特有のぶっきら棒な態度を自然に演じる高い演技力が好評です。齋藤さんは「映画『カラオケ行こ!』公式ビジュアルブック」で、撮影中が一番自身の声変わりを感じていた時期だったため、聡実と共感する部分があったと語っています。奇跡的なタイミングで作られた実写化作品といえるでしょう。
また、2010年に公開の多部未華子さんと、三浦春馬さんがW主演を務めた映画『君に届け』(原作:椎名軽穂)も、ふたりがハマり役と絶賛された作品でした。同作は、純粋な性格ながら見た目から「貞子」と呼ばれる女子高生「黒沼爽子」が、爽やかな人柄で人気者の男子高校生「風早翔太」と出会い、次第に関係が変化していく物語です。
映画が公開される前は、原作の風早が魅力的すぎるため、ファンの間で実写化は難しいのではないかといわれていました。しかし、三浦さんが演じる風早は原作に劣らない爽やかさで、当時は多くの人が「まんま風早くんだ!」と驚愕しています。また、多部さんもゆっくり周囲と打ち解ける爽子をていねいに演じており、次第に明るくなる爽子の自然な姿に多くの観客が感動しました。
椎名先生もふたりの再現度の高さを絶賛し、クランクアップの会見では「未華子ちゃんに演じてもらえてうれしい。我が家では勝手に多部爽(たべさわ)ちゃんと呼んでいました。春馬くんはそのまま資料にしたいぐらい風早っぷりで、我が家ではリアル風早と呼んでいました」と手紙を送っています。
ほかに、ネットゲームと現実の世界を舞台に、女子大生「木之下茜」と塩対応の高校生プロゲーマー「山田秋斗」が次第に関係を深めていく『山田くんとLv999の恋をする』(原作:ましろ)も、実写版のクオリティーの高さが評判を呼びました。2025年3月に公開された映画では、茜役を山下美月さんが、山田役を作間龍斗さんが演じました。
作間さん演じる山田は、公開前からビジュアルが山田に似ていると原作ファンの間でも話題になり、期待を集めていたようです。公開後は、ビジュアルだけでなく「茜に向ける表情や視線が次第に柔らかくなり惹かれていく様子が伝わる」などと、高い演技力も評価されています。
茜を演じる山下さんも話し方や身振り手振りが役にはまっており、観客から「自然な演技だった」といった声が多数あがりました。山下さんは「MOVIE WALKER PRESS」のインタビューで、自身は茜とは真逆の人見知りだが、茜の性格に近付くために毎週のように遊園地に行きテンションを上げていたことを語っています。こうした努力が実を結び、自然体で明るい茜を表現できたのでしょう。
