全国で広がる実践ワークショップの取り組み

鹿取みゆき代表理事が語る「次のステージ」への思い
日本ワインブドウ栽培協会(JVA)の代表理事を務める鹿取みゆき氏は、「日本のワインブドウ栽培は、次のステージに入っています」と語ります。これまで各地の生産者たちは、それぞれの気候や土壌に合わせ、独自の方法で病害や気候変化に向き合ってきました。しかし、今やその枠を超えて、研究者と現場が協力し合い、共通の知見を築くことが求められています。
鹿取氏は、科学的な知識を持つ研究者と、日々現場に立つ生産者が互いに理解を深めることこそ、持続可能なワインづくりへの第一歩だと強調します。荷田准教授による講義はまさにその架け橋となるもので、理論と実践を結びつける貴重な機会です。これまで個別に対応してきた課題を、学び合いの場を通じて“日本全体の財産”へと昇華させていくことが、今回の取り組みの本質といえます。
JVAでは、こうしたセミナーを一過性のイベントとして終わらせるのではなく、次世代の育成や地域連携へとつなげていく考えです。科学と経験の両輪で日本ワインを支える新たな流れが、いま着実に形になりつつあります。
