賛否が分かれるAI音楽──創造か、それとも脅威か
モネなどの成功が注目を集める一方で、AI音楽について業界内では賛否が分かれています。
R&Bシンガーソングライターのケラーニ(Kehlani)は、TikTokで「音楽におけるAIの蔓延は制御不能だ」と強く批判。AIが既存の著作物を学習して新しい楽曲を生み出す点を問題視し、「この世の何物もAIを正当化できない」とコメントしています。
また、マック・デマルコやSZAといった人気アーティストも懸念を表明する一方、ABBAのビョルン・ウルヴァースは「AIは創作を拡張する素晴らしいツール」と前向きに評価しています。
AI音楽は、創造の可能性を広げる革新的な技術なのか、人間の表現を脅かす存在なのか──その議論は今も続いています。
業界の対応と未来への視界
AI技術の急成長に対し、音楽業界も動きを見せています。Spotifyは先月、7500万曲ものスパム的AI楽曲を削除し、AIなりすまし対策を強化しました。
それでもAI音楽の勢いは止まらず、AI生成のバンド「The Velvet Sundown」がわずか一カ月で月間40万人のリスナーを獲得するなど、新たな“デジタルスター”が次々に登場しています。
一方で、ポール・マッカートニー、ケイト・ブッシュ、エルトン・ジョンらイギリスの音楽界の大御所たちは、AI時代の著作権保護を求める書簡を政府に提出。エルトン・ジョンはAIについて「若手アーティストの収入を希薄化し、脅かしている」と警鐘を鳴らしました。
AIが生み出す音楽が本物の“芸術”と言えるのか──。その問いに明確な答えはまだありません。ただ一つ確かなのは、AIと人間の協働が音楽の新しい形を築き始めているということです。

